山火事の拡大でも『ゴルフ場の営業を強行』・・・「キャディーに作業中止権を」/韓国の労災・安全衛生2025年3月28日

慶尚北道安東のあるゴルフ場が、山火事が燃え盛っている状況にも拘わらず営業を強行し、キャディーを働かせたことが判った。労組は「特殊雇用労働者であるキャディーが、労働者としての基本的な権利を認められていない現実を赤裸々に見せた事件」とし、「特殊雇用労働者の『作業中止権』を保障せよ」と要求した。

  慶尚北道安東に大型の山火事がゴルフ場まで拡がる状況にも拘わらず、ゴルフ場の競技補助員のキャディーは仕事を止められなかった。自分をこのゴルフ場で働くキャディーだと紹介した男性は、オンライン掲示板に書き込み、「ゴルフ場の近くに拡がった山火事で、暗い煙と大きな灰が落ちる状況で、私が担当したチームの前半が終わって後半に入らなければならなかったが、とても怖かった。」「顧客と相談しているところに職員が出てきて、『後半に入らなければならない。早く入りなさい」と言ったと話した。

  この男性が直接撮って公開した映像を見ると、ゴルフ場の駐車場の前の山に炎が燃え上がっているのが見える。彼は「(ゴルフ場が)キャンセルしてくれなければ、私たちは行ってしまう」。顧客が荷物をまとめてゴルフ場から去った後、自分たちも避難することができたと伝えた。

        慶尚南道山清の山火事6日目の26日、矢川面から眺めた智異山に火が燃え上がっている。 ハン・スビン記者

  民主労総サービス連盟観光産業レジャー労組は声明を出し「今回の事態は『特別な』ことではない。キャディーたちは普段から猛暑・暴雨・酷寒・強風など、気候危機と災難の中できちんと保護されないままに働いている。」「台風が吹き荒れて雷が落ちるような悪天候の中でも、ゴルフ場側の判断なしでは仕事を止めることができない」と話した。彼らは「特殊雇用労働者は、これまでのようにゴルフ場の利潤のために犠牲になる『見えない存在』ではない」とし、「特殊雇用労働者の『作業中止権』を、法的に明確に保障せよ」と要求した。

  全国女性労組・韓国女性労働者会なども声明を出し「労働者の生命より営業利益を優先視したゴルフ場の貪欲が極に達した。」「特殊雇用労働者なので、生命に恐怖を感じても作業を中止する権利どころか、安全を要求する最小限の権利さえ許されない。危険を甘受しなければ解雇という現実が待っているためだ」と話した。彼女たちは「企業は労働者の生命と安全を何より優先しなければならず、政府はすべての労働者の安全が脅かされる急迫した状況では、何時でも『作業中止権』を行使できるように保障すべきだ」と主張した。

2025年3月28日 京郷新聞 イム・アヨン記者

https://www.khan.co.kr/article/202503281951001