「危険の外注化」改善の核心を軽視した労働部 2020年3月5日

国家人権委員会の、間接雇用労働者の生命・安全など、労働基本権を保障せよという「間接雇用労働者の労働人権増進のための制度改善勧告」に、雇用労働部は、人権委の7つの勧告事項のうち、危険の外注化を防止する請負禁止作業の拡大、間接雇用労働者に対する元請け業者の責任拡大、などの核心的な勧告事項は、すべて中長期的に検討するとした。

労働界は「履行計画さえない『中長期検討』は、事実上受け容れないということ」だと反発した。

最初の項目の「下請けに任せることを禁止する有害・危険作業範囲の拡大」から、中長期検討対象になった。
労働部は、昨年全面改正された産業安全保健法によって元請けの責任を強化した点、一部有害化学物質の取り扱い作業などに下請けを禁止した点、などをその理由に挙げた。

労働界は「キム・ヨンギュン法」と呼ばれる改正産安法が、請負禁止の範囲を最小限にし、発電非正規職として亡くなったキム・ヨンギュンさんの業務はもちろん、九宜駅で地下鉄スクリーンドアを修理して死亡した非正規職キム君の業務すらも保護できないと批判してきた。

民主労総のチェ・ミョンソン労働安全保健室長は「人権委の勧告の問題意識は、改正された産安法の外注化禁止業務に、事故性の災害が発生する業務が抜けているので再検討せよということだが、行政府にはその意志がないように見える」とした。

間接雇用労働者の労働三権を強化せよという人権委勧告2件も、やはり「中長期検討」対象になった。
この間、社内下請け非正規職労働者は、元請けと直接対話をする方法がなかった。これに、人権委は、元請けの団体交渉義務を明示するように勧告した。

労働部は勧告の趣旨には共感するとしながらも、「『使用者概念拡大』に関連した労組法改正案が発議され、国会に係留中」として、即答を避けた。

民主労総・組織部長は「労働部が人権委の勧告に真っ向から反する行動をしながら、国会の立法に期待するというのは、言葉遊びだ」と批判した。

2020年3月5日 京郷新聞 イ・ヒョサン記者