スペイン・カタルーニャ州における進展/International Ban Asbestos Secretariat (IBAS), 2024.5.10
2024年5月7日、カタルーニャ州政府(Generalitat de Catalunya)は、カタルーニャ州全体に残る致命的で長期にわたるアスベストの遺産に対処するための法案を承認した。当局が実施した調査によると、カタルーニャ州の947市町村のうち、アスベスト問題を抱えていないのはわずか2市町村のみである。アスベスト根絶法案が最終的に議会で批准されれば、建物や施設からのアスベストの適時かつ安全な除去が促進されることになる。欧州連合のスケジュールでは、2028年までに公共建築物からアスベストを除去し、2032年までにEU内の他の場所からアスベストを除去することが勧告されている。
カタルーニャ州では、アスベストセメントが400万トン、その他のアスベスト含有資材が6~3万トンあると推定されている。アスベストの使用、製造及び流通は2001年に禁止されたが、この有毒物質の多くは残っている。これらの製品のほとんどは、1960年代から1980年代後半にかけて設置されたもので、耐用年数に達しているか、またはそれに近づいている。「このため」、法案は、「カタルーニャ州アスベスト根絶委員会は、アスベスト根絶のための国家計画を通じて、アスベスト問題の安全な管理を命じ、その除去を可能な限り速やかにスピードアップさせるために必要な規制上の枠組みの開発を促進することに合意した」と指摘している。
この法案は、カタルーニャ州のすべての行政機関による調整のとれた行動を優先させるだけでなく、「それ(アスベスト曝露)が人々の健康、動物及び環境に及ぼす有害な影響」を含む、この地域の有害な遺産の多面的な側面に対処する。政府の行政部門によって推進された法案の条項は、「アスベスト含有物質の所在確認を促進し、除去作業を管理する人々と一般市民の安全と健康を保証し、アスベストへの曝露に起因する健康問題を抱える人々への適切なケアを確保する」対策を求めている。新たな法的枠組みの条項の中に、医療能力を構築し、医療へのアクセスを改善し、アスベスト関連疾患に苦しむ人々への支援を確保するための措置が含まれていることは注目に値する。
2024年5月7日に発表された声明で、カタルーニャ州のペレ・アラゴネス首相は、この画期的な法案の採択につながった「市民団体、社会団体、町内会、自治体、社会的エージェント、カタルーニャ州政府の様々な部局の献身と関与」に感謝した。首相が称賛した関係者の連合が、切望される変化を求め続けることを願うばかりである。アスベスト撲滅法案の成立は、早ければ早いほどよい!
※http://www.ibasecretariat.org/lka-making-progress-in-catalonia.php