民主労総「年間労災死亡者2400人、作業中止権を確立せよ」/韓国の労災・安全衛生2024年04月24日

イ・ジェ記者

民主労総が、実質的な作業中止権の確立と産業安全保健法の全面適用を追求する集会を行った。

民主労総は24日、ソウルのセウォル号記憶館からソウル雇用労働庁まで行進して決意大会を行い、△作業中止権の実質保障、△生命安全基本法の制定、△尹錫悦政権退陣、△産業安全保健法の全面適用、△雇用労働部長官の退任、△産業安全保健法と労災保険法の改悪中止を求めた。作業中止権は労災が発生する急迫した危険があれば、事業主や労働者が作業を中止する措置だ。しかし、労働者が作業中止権を行使すると損害賠償を請求したり懲戒をすることもあり、実質的な保障がされていない。

産業災害の再発防止に責任のある政府、拒否権を濫発

この日の決意大会は、セウォル号惨事10周忌と、今月28日の『世界労災労働者追慕の日』を共にするために開かれた。民主労総は「セウォル号惨事以後の10年、梨泰院惨事と五松惨事が続き、一年に労働者2400人が職場で死んでいる。」「(それでも)尹錫悦政権は梨泰院惨事特別法に拒否権(再議要求権)を行使し、労働時間の改悪を推進し、労働者を過労死に追い遣っている」と批判した。

金鎔均財団のキム・ミスク理事長は「一年に、ヨンギュンのような労働者が2400人も亡くなる現実を放置するこの国は、気持ち悪い。」「労働者の死に対して政府が謝罪し、元気な子供たちが亡くならないように全国の事業場を巡回して危険性を調査し、実効性のある再発防止対策を講じなければならないにも拘わらず、尹錫悦政権と労働部長官のやっていることは、民生法案に拒否権を濫発し、根拠もなく患者を不正受給者だと罵倒するなどの悪行を犯している」と批判した。

プラットフォーム、フリーランサー、特殊雇用職の産業安全の問題も指摘された。公共運輸労組のパク・ジョンフン労働安全保健委員長(労組ライダーユニオン支部委員長)は、「韓国馬事会の施設管理の非正規労働者の健康診断費用は3万5千ウォン、正規職の費用は30万ウォンで、労働者の血を抜くのにも正規職と非正規職を差別する。」「11日に亀尾と富川、新林駅で、配達労働者が死亡する重大災害が起こったが、配達プラットフォームは止まることなく、災害発生原因の調査も作業中止命令もなかった」と指摘した。

「毎年セウォル号・梨泰院惨事を繰り返す」

この日の決意大会に参加した4・16連帯と梨泰院惨事の遺族たちも、作業中止権の確立を強調した。梨泰院惨事の犠牲者・チェ・ユジンさんの父親のチェ・ソンジュさんは、「毎年2千人を越える労災死亡者がいるということは、一年に数回、セウォル号と梨泰院のような惨事が繰り返えされているということ」で、「当事者の誰でもが、作業が危険だと感じたら作業を中止できるように、生命と安全を何よりも優先しなければならない」と強調した。

この日の決意大会に先立ち、建設労組は昨年の労災死亡者303人の慰霊祭を同じ場所で行った。建設現場では、昨年1月5日に忠清北道の提川で、足場の設置作業中の労働者が下の階に落ちて死亡したのを皮切りに、昨年12月29日、ソウルと釜山、慶尚北道の蔚珍で発生した墜落死まで、死亡労災が297件発生し、303人が死亡した。労組は彼らの魂を追悼し、作業中止権を強く求めた。

この日の慰霊祭に参加した故チョン・スンギュさんの息子のチョン・ソクチェさんは、「2019年に釜山の工事現場で父親が労災で亡くなった後、国会の国政監査と時事報道プログラムの報道で、京東建設の事件隠蔽と書類の操作事件が明らかになったにも拘わらず、検察が起訴せずに5年が過ぎた今も闘っている。」「どうか、これ以上、建設現場で労働者が死に、遺族がこれ以上出ないようにして欲しい」と涙声で話した。

2024年4月24日 毎日労働ニュース イ・ジェ記者

https://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=221229