「二年間で6人が帰宅できなかった」ハンファオーシャン 2024年02月06日 韓国の労災・安全衛生

金属労組巨済統営高城造船下請け支会が6日、巨済市の市庁ブリーフィングルームで「相次ぐ重大災害ハンファオーシャン糾弾記者会見」を行っている。/巨済統営高城造船下請け支会提供

巨済市のハンファオーシャン(旧:大宇造船海洋)造船所の下請け労働者たちが、元請けハンファオーシャンに対し、相次ぐ重大災害の責任を問い始めた。先月2人の労働者が重大災害で亡くなった。労組は、現場の危険を最もよく知っている下請け労働者が安全管理活動に参加しなければ、事故をきちんと防ぐことができないと話した。

金属労組巨済統営高城造船下請け支会は6日、巨済市庁のブリーフィングルームで「相次ぐ重大災害ハンファオーシャン糾弾記者会見」を行い、「この二年間、下敷き・落下・爆発・挟まれなど、全て違うタイプの重大災害が6件も発生した。」「ハンファオーシャンの安全管理システムが総体的に崩れている」と話した。

ハンファオーシャンでは、先月2件の重大災害が起こった。先月12日、20代の下請け労働者が、船舶ブロックでグラインダー作業中に爆発事故で亡くなった。同月24日には、30代のハンファオーシャンの社外協力会社の労働者が、船舶外壁の異物を除去する潜水作業中に命を失った。

労組は、今でも重大災害に繋がり得る大小の事故が発生していると指摘した。先月19日には、移住労働者がはしご作業をしている途中に墜落して足を骨折した。先月30日には、下請け労働者がシステム足場の設置作業をしていて墜落し、目に深い裂傷を負った。

その他にも、溶接と塗装作業が混在した現場で火災事故が発生する危険があり、自転車で移動中の下請け労働者とトラックが衝突したりもした。労組は「人命事故でなければ事故がキチンと知らされないことも問題だ」とし、「先月26日、ドックの底のメインホールドで火災事故が発生した時も、下請け労働者には、どんな事故が起きたのかが知らされなかった」と話した。

労組は、安全管理がキチンとなされるためには、下請け労働者の安全活動への参加が積極的に保障されなければならないと話した。「ハンファオーシャンは、安全保健関連への投資を追加で執行するなどの努力をすると言っているが、多くのお金を投資していることを前面に出すより、システムを点検し、死角地帯がなぜ発生するのかを調査するべきだ」とし、「造船所では、直接生産の80%以上を下請け労働者が担当している。危険に最も多く曝されるのも、現場の危険要素と防止対策をよく知っているのも下請け労働者だ」と話した。

危険の外注化の根本原因である多段階下請け雇用に対する対策も要求した。労組は「ハンファオーシャンは、アウトソーシング・臨時業者・物量チームなど、多段階下請け雇用を増やして、足りない人材を埋めている。」「多段階下請けは、安全管理の力が全くないか、脆弱にならざるを得ない」と話した。

2024年2月6日 京郷新聞 パク・チェヨン記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202402061639001