『建暴集中攻撃』で建設労組員の精神健康は「赤信号」 2024年01月11日 韓国の労災・安全衛生
警察の『建暴集中攻撃』捜査による建設労組の組合員への心理的なストレスで、憂鬱・不安など、精神の健康が悪化していることが判った。建設労働者のヤン・フェドンさんが焼身して死亡した直後の昨年5月と、同年6~8月の心理調査を比較すると、時間が経つ程にストレスのレベルも酷くなっていた。労組への弾圧局面が続き、雇用不安が深刻化したことが影響が与えたものと分析される。労働者はアルコールに依存しながら苦痛に耐えていた。
二回の調査、ストレス高危険群が8.5%増加
<毎日労働ニュース>が、建設労組の『公安弾圧と国家暴力による心理的な危機の緊急点検実態調査』の最終結果を入手して調べた。回答者の平均年齢は52.23歳、労組員の経歴は平均10.34年、男性が98.5%だった。警察・検察・裁判所などに出頭した回数は「1~2回」が78.8%で最も多く、「3~4回」が13.9%だった。
建設労組は昨年5月、警察・検察・裁判所などに出頭した経験のある組合員1千人余りを対象に審理アンケート調査を配布し、同年6月には中間集計された295人に対する結果(一次調査)を発表したことがある。今回の実態調査は、同年6月末から8月末までの二ヵ月間、同じ内容で追加のアンケート(二次調査)を実施し、411人分を分析した最終結果だ。
一次調査と二次調査の結果を比較すると、社会心理ストレス高危険群は8.5%増え、健康群は0.3%減少した。社会心理ストレスの項目は、日常生活をするのに大小の困難を上手く克服できる状態か、全般的な幸福感を感じながら生活しているのかを点検する道具だ。
実態調査を分析した「ドゥリ共感」のチャン・ギョンヒ常任活動家は「衝撃的な事件を経験しても、一定の時間が過ぎればストレスなどは低くなるものだが、そうではないということを示した結果」で、「労組弾圧が続くことによって、時間が経つほど精神健康指標が更に悪化しかねないということを意味する」と分析した。
チャン・ギョンヒさんは、「過去に労組破壊事業場(23.1%)や、非正規職を解雇した事業場(48.6%)を対象に同じ調査をした時よりも高い数値が出てきたが、これは建設業の特性上、帰る事業場がないということや、恐喝・脅迫など、犯罪者として扱われることが、更に悪影響を及ぼしたためと分析される」と説明した。
心理相談・病院診療経験は4.9%に止まり
別の心理指標も小幅ながら増加した。二次調査で、「中間程度の憂鬱」または「ひどい憂鬱」を経験しているケースは46.7%、不安を経験しているケースは67.4%で、それぞれ一次調査に比べて1.6%と1.0%増加した。最近の二週間に自殺あるいは自害を考えたことがあるかについては、回答者の31.8%が「そうだ」と答え、一次調査より1.0%増えた。
昨年3~4回の警察による調査を受けたという10年余りの経歴の建設労働者のAさんは「召還調査の日付が決まると、最初は恐ろしく、調査を受けてからは無茶苦茶に口惜しかった。」「検察に送致されたり裁判が進行中のケースもあって、依然として不安で眠れないこともある」と話した。
彼らは捜査による圧迫感・挫折感をアルコールに依存しながら頑張ろうとする傾向が大きいことが判った。労組への弾圧以後のアルコール摂取量について、「増えた」と答えたケースが62%と半分以上だった。頻度についても、「ほぼ毎日飲む」と答えたケースが16.8%にもなった。一方、心理相談や病院での診療を経験したケースは皆無だった。回答者の95.1%が「ない」と答えた。心理相談または心の健康支援が必要かどうかについては、72.7%が「ある」と答えた。
チャン・ギョンヒ活動家は、「病院まで行くケースはほんの一部で、ほとんどがお酒で多くを解決しようとしている。」「50代の男性に求められる社会的な立場や雰囲気を考慮すると、『大変だ』『助けが必要だ』と言うのが難しいからだ」と指摘した。
労組は11日に国会議員会館で心理的な危機の実態調査の結果を含め『労組弾圧が建設現場の労働安全保健に及ぼす影響』討論会を開催する。
2024年1月11日 毎日労働ニュース オ・ゴウン記者
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