会社員の自殺原因、1・2位は「これ」・・・このままで良いのか 2023年12月13日 韓国の労災・安全衛生

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業務に関連した会社員の自殺(自殺労災)の半分以上は、「職場内いじめ」と「過労」によるものだという分析結果が出た。低年次なほど「いじめ」と「過労」が与える影響が大きかった。「いじめ」の判断基準の強化や、「週69時間」への労働時間の柔軟化などの制度改編が、良くない結果に繋がるのではないかという心配が出ている。

労働人権団体の「職場の甲質119」と「基本所得党」のヨン・ヘイン議員室が13日に『2022年労災自殺状況の国会討論会』を行った。

発題者のイ・ヤンジ公認労務士が、2022年に勤労福祉公団が調査した「自殺労災関連業務上疾病判定書」を全数分析した結果を発表した。イ・ヤンジ労務士は昨年、自殺労災申請97件の内、業務上疾病の判定書を入手できた85人を分析した。労災承認は39件、不承認は46件だった。労災申請者85人の勤続年数を見ると、「5年未満」が48%、「5年以上10年未満」が18%、「10年以上」が34%だった。

労災が承認された39人の自殺理由では『職場内いじめ・セクハラ』が33%で、最も多かった。『過労』が26%、『懲戒・人事処分』」が21%、『暴行』が5%と続いた。

自殺の理由を勤続年数別に見ると、『職場内いじめ・セクハラ』に関しては、10年未満が69%で最多数を占めた。『過労』は10年未満が80%に達した。低年次なほど、『いじめ・セクハラ』と『過労』を強要され、死に追い込まれていると分析される。10年以上の会社員では、『懲戒・人事処分』が50%と比重が高かった。

自殺労災申請件数の中で職場内いじめが占める割合は、『職場内いじめ禁止法』の施行以前の20%から、施行以後の27%に上がった。依然として、自殺労災申請件数(公務員・教職員含む)は、警察庁が『職場または業務上の問題による自殺』に分類した件数よりも少なかった。警察庁の統計対比での自殺労災比率は、2018年に24%、2019年に16%、2020年に23%、2021年に37%、2022年に36%だった。イ・ヤンジ労務士は「全体的な比率が増えてはいるが、依然として大部分は隠蔽されたり、労災を主張することもできずにいる」と話した。

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自殺労災は様々な状況で発生した。クォン・ナムピョ公認労務士が、15人の業務上疾病判定書を分析した結果、ある10年目の会社員は、労働部から職場内いじめによる被害を認められても、会社が加害者に対する措置をきちんと行わずに苦痛を受けた。入社から三ヶ月目に、いじめ・セクハラを訴えて亡くなった事例もあった。

ある研究員は、8人で計画されたプロジェクトを一人で担当し、一日に70~100本の電話をして過労とストレスを受けた。ある新入社員は、プラントの設計業務を一週間に72時間10分行って死亡した。根拠のない低成果者への指名と退社を追求されたために世を離れたり、入居者の余りな苦情によって世を去ったマンション管理所長の事例もあった。

雇用労働部は最近の二年間に、職場内いじめに関連する委託研究を二回発注するなど、制度改編を推進している。この過程で『週一回・三ヶ月以上継続』を要件としようという主張が、委託研究の報告書と政府後援の討論会で提起された。労働界はいじめの判断基準が強化される可能性があると憂慮している。

ペ・ナウン職場の甲質119の活動家は「反復性と持続性の基準を明示する方式で、いじめ判断のハードルを高めるべきではない。」「『お前がやられたことは、余程のことでないといじめとは認めない』という社会的なメッセージが拡がれば、被害者が、申告による問題解決ではなく、絶望と死を選択する可能性も大きくならざるを得ない」と話した。

勤労時間の柔軟化に対する心配も続いた。クォン・ナムピョ労務士は「現行の勤労時間形態でも、長時間労働と強い業務の強度で自殺する事例が発見されるが、政府の勤労時間改編(案)は、その妥当性が著しく劣る」と指摘した。

職場内いじめが自殺に与える影響を、正確・迅速に判断できなければならないという指摘も出ている。チョン・ヨジン韓国労働安全保健研究所・精神健康医学科の専門医は、「業務上疾病判定委員会の委員が、いじめの真偽を判断するために余りにも多くの時間と努力を消耗しないように、調査結果が出た後の審議日程を決めるなどの手続きを整備すべきだ。」「いじめが単に、悪い上司に運悪く当たってしまった『個人の不運』と看做されないように、いじめの組織的な要因に対する問題提起が、業務上疾病判定委員会で行われるべきだ」と話した。

2023年12月13日 京郷新聞 チョ・ヘラム記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202312131423001