法律で「過労死」を防いではどうか・・・・国会で対立する労使 2023年12月05日 韓国の労災・安全衛生

5日、国会・環境労働委員会で行われた過労死予防立法公聴会で、陳述人たちが発言している。/聯合ニュース

国会が『過労死』の概念を法的に定義付けし、政府に過度な労働を防止する義務を課す法律案を議論し始めた。労働界は深刻な過労を防ぐためには法律が必要だとし、経営界は別途の立法で規制するのは過度だとした。

国会・環境労働委員会は5日、過労死予防関連法案二件について、立法公聴会を行った。公聴会では、3月30日に共に民主党のイ・スジン議員(比例)が代表発議した『過労死予防と勤労時間短縮支援に関する法律案』と、2020年12月4日に同党のイム・ジョンソン議員が代表発議した『過労死などの予防に関する法律案』を扱った。

韓国の年間労働時間は、2021年基準で1915時間で、経済協力開発機構(OECD)の平均(1716時間)を遙かに越えている。 一年平均で500人が過労による脳心血管系疾患で死亡している。

専門家の陳述人として参加した梨花女子大社会学科のイ・ジュヒ教授は「韓国で長時間労働を誘発する労働市場の特殊性は不平等だ。」「低賃金労働者は、金を稼ぐために長時間働き、高賃金の労働者は他の人と換えられないためにもっと働き、勤労基準法が適用されない人たちも余りに多い」と話した。イ・ジュヒ教授は、「包括賃金制の濫用が深刻で、特別延長勤労も継続して拡大している。」「過労労災に対する元請けの責任強化も必要だ」と話した。

労働界からの陳述人の「仕事をする市民研究所・ユニオンセンター」のキム・ジョンジン所長は、「長時間労働は多いが、国の役割は社会構成員の生命・安全保護という点で意味のある法案」で、「業務上災害と承認された以外にも明らかになっていない統計があり、これもまた、勤労基準法上の勤労者中心の統計で、プラットフォーム・特殊雇用労働者など、保護されない人たちの事例はもっと多いだろう」と話した。キム・ジョンジン所長は更に「現在の法案が勤労基準法上の勤労者に限定される心配もある。産業安全保健法で、労務提供者にプラットフォーム・特殊雇用労働者を含むように、適用対象に彼らを含めれば、法案の趣旨は更に共感を呼ぶ」と話した。

国会・環境労働委員会で開かれた過労死予防立法公聴会で、陳述人たちが発言している。/聯合ニュース

経営界は否定的な見解を示した。中小企業中央会のイ・ミョンロ人材政策本部長は、「法体系上、産業安全保健法と労災補償保険法が過労死を業務上災害として保護している以上、既にある法律を改正することが望ましい。」「勤労時間が生命・安全に関連するのは当然だが、賃金とも関連がある。生活費の補填のために勤労時間を増やそうとする勤労者たちの要求も尊重されるべきだ」と話した。韓国経営者総協会のチョン・スンテ産業安全チーム長は、「別途の法律の制定よりは、経済社会労働委員会の合意の履行など、総合的な改善対策が先行されるべきで、現行の労働法の体系の中で保護方案を講じることは充分に可能だ」と話した。

雇用労働部も法制定には難色を示した。リュ・ギョンヒ産業安全保健本部長は、「長時間勤労が減るべきだということは誰も否定できないが、敢えて別途の法を作ってすべきなのかは疑問」と話した。

イ・ジュヒ教授は、「実際の産業現場では、使用者が過大な労働を要求した時には拒否できないことが多い。」「過労死や過労自殺がこんなに多いのに、法律を作らない理由がない。現在ある法による規制が余りにも厳格なためだ」と話した。

2023年12月5日 京郷新聞 チョ・ヘラム記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202312051352011