職種の範囲を拡大し、複数の傷病を認めなければ 2023年10月12日 韓国の労災・安全衛生

韓国労総

筋骨格系推定原則制度の実効性を高めるために、適用職種の範囲を拡大し、他の傷病が伴う場合にも適用するべきだいう指摘が絶えない。

韓国労総は11日、『筋骨格系疾病推定原則告示の改正方案作り討論会』を行った。

筋骨格系推定原則制度は、労働部告示で規定した診断名(筋骨格系8大傷病)、職種、勤務期間、有効期間の各認定基準を満たせば、反証がない限り、現場調査を省略して業務上疾病と認定する制度だ。被災労働者の立証責任の負担を緩和する一方、労災処理期間も短かくする目的で導入された。2019年7月に勤労福祉公団の指針として始まり、労働部告示によって法制化され、昨年7月1日から施行された。

期待に反して適用件数は低調だ。昨年、筋骨格系の労災申請は1万2491件で、この内、推定の原則が適用されたのは、3.7%(468件)に過ぎない。

最近、韓国労総が韓国労総推薦の疾病判定委員会の委員60人を対象に『筋骨格系推定原則制度の実態調査』を行った結果、△適用職種の範囲が狭い(48.7%)、△疾病判定委が反復審議(22.2%)、△他の傷病との同時労災申請不可(17.8%)、△主傷病に伴う同一部位の傷病の範囲が狭小(8.9%)、△現場調査の省略による審議の公正性に問題(4.4%)、などが推定原則適用比率が低い理由として指摘された。

適用職種範囲の場合、公団指針に規定していた一部適用職種の労災申請件数が低調だという理由で、告示から除外された。韓国労総の産業安全保健本部のイ・ヒョンジェ次長は、「どんな職種であれ、労災の承認率と申請件数は毎年異なるにも拘わらず、一貫性のない基準で適用職種を規定することには問題がある」と批判した。

告示で規定する傷病が、単独で発生した場合にのみ適用されるという問題もある。筋骨格系疾患の特性上、身体部位別に複数の傷病として発病する可能性が高いため、適用率を下げる原因の一つとして指摘される。昨年、単独傷病で筋骨格系疾患の労災を申請した割合は34.2%だった。残りの65.8%は制度の適用さえ受けられなかった。労働部は告示の制定当時、主な傷病に伴う同一部位の傷病の範囲が含まれた規定まで設けて行政予告したが、財界の反対で、結局削除されたまま改正された。

梁山釜山大学病院のキム・ヨンギ教授は「推定の原則は、疾病判定委の専門家の累積された判定の歴史」だとして、「適用を拡大できる方案の告示で、別表2の適用が必要だ」と強調した。

2023年10月12日 毎日労働ニュース カン・ソクヨン記者

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