『職場内いじめ禁止法』4年・・・キャディーにも被害を認定 2023年10月08日 韓国の労災・安全衛生
職場内いじめ禁止条項が施行されて4年間、法の適用対象と加害者に対する民事上の不法責任を幅広く認める裁判所の判決が増えているという分析が出た。
職場の甲質119が、職場内いじめ禁止条項に関連する最高裁・下級審の判例87件を分析した『2023職場内いじめ判例分析報告書』で、裁判所が勤労基準法上の勤労者ではない特殊雇用労働者などに対しても、職場内いじめ被害の事実を認める傾向だと解説した。法律上、職場内いじめ禁止条項は勤労基準法上の勤労者にのみ適用される。言い換えれば、勤労契約を結ばない特殊雇用・フリーランサーなどと5人未満の事業場は、法的保護を受けにくいという批判があった。
裁判所は、勤労基準法上の勤労者ではないゴルフ場キャディー、乗船勤務する予備役などに対しても、職場内いじめの被害を認めた。実際、ソウル高裁は今年2月、軍への服務に代わる乗船勤務の予備役として船舶に乗船(3年義務勤務)したAさんが、先輩にいじめられて極端な選択をした2018年の事件に『職場内いじめによる職務上死亡』と判示した。Aさんは乗船勤務予備役として勤労基準法の対象ではないが、裁判所は彼の職場内いじめ被害を認めた。
議政府地裁・高陽支院も2月に、代表的な特殊雇用職であるゴルフ場キャディーの職場内いじめ被害の事実を認め「職場での地位または関係などの優位を利用して、業務上の適正範囲を超えて他人に身体的・精神的苦痛を与えたとすれば、その被害者が必ず勤労者である必要はない」と判示した。勤労基準法上の「勤労者」でなくても職場内いじめ法で保護されると判断した。
また7月にソウル中央地裁は、勤労契約関係にないアパート入居者代表の会長が、賃金未払いに抗議する管理職員二人の待機発令を管理業者に要求した事件に対して、民事上の損害賠償責任を認めた。報告書は「いじめの要件を充足する場合には損害賠償を認めているという点で有意義な先例」と説明する。
「パワハラ上司」の解雇が正当だという判決も続いた。 ソウル行政裁判所は2021年2月に、性差別的な暴言を吐いたり職員にボールペンを投げつけた上司に対する解雇処分は正当だとした。水原地裁も2月に、八ヶ月にわたって被害者に言語的なセクハラを行った加害者の解雇は正当だと判断した。この他に、会社が職場内いじめ申告を受けても正しく措置しなかったり、予防措置をしなかったケースに対しても、事業主に損害賠償責任を課した。
職場の甲質119のチャン・ジョンス労務士は「いじめは、法が定めた範囲だけでは起きず、保護されない非勤労者にも発生する。裁判所が法の適用対象を勤労者だけでなく、キャディーと乗船勤務予備役など、非勤労者に対するいじめを認めたのは当然の結果」とし、「今からでも、死角地帯をなくす勤労基準法の改正がされるべきだ」と話した。
2023年10月8日 ハンギョレ新聞 キム・ヘジョン記者