新堂駅殺人事件から一年、駅員たちは依然『一人勤務』 2023年09月11日 韓国の労災・安全衛生

民主労総公共運輸労組とソウル交通公社労働組合の組合員たちが11日、ソウル市庁前で行われた新堂駅事故一周忌の記者会見で、安全な職場作りを求めるピケットを持ってスローガンを叫んでいる。2023.09.11./ニューシス

『新堂駅ストーカー殺人事件』から一年余りの時間が経ったが、依然として数多くの駅員が安全でない環境で働いていることが判った。ソウル交通公社が約束した『二人一組』での巡察は、キチンとした人材の拡充がなく推進されて有名無実になり、公社が支給した安全保護装備も職場の安全を守るには力不足だった。

民主労総公共運輸労組、ソウル交通公社労組、職場の甲質119は11日に記者会見を行い、このような内容の『駅務現場安全診断アンケート調査』の結果を発表した。アンケート調査は先月20日から28日まで、ソウル交通公社営業本部の現業事務職員を対象に実施し、対象者3612人の内、1055人が応じた。

調査の結果、回答者の72.13%が、「駅で働く時に十分に安全を保護されていない」と答えた。酔客など不特定の人からの脅威に対応し難く、公社の過度な顧客へのサービス応対の要求と、非常事態に一人で対応しなければならないという圧迫感などをその理由に挙げた。

事件当時浮き彫りになった『二人一組パトロール』の問題も依然として解消されていない。事件の被害者は、駅舎で一人でパトロール業務をしていて殺害された。その後、公社は、昨年12月から『駅職員二人一組パトロール強化計画』を施行したが、実際の現場では変わったものはないという応答が圧倒的だった。回答者の93.55%が、公社の対策にも拘わらず「二人一組で業務を行っていない」と答えた。

二人一組の勤務ができない理由は人材不足にあった。回答者たちは「組当りの人員が二人以下」なので、「同時に処理しなければならない業務が重複して発生し」、二人一組での勤務が事実上不可能な状況だと指摘した。

ソウル市と公社の対策は実質的な人材補充ではなく『危険な時間帯の安全ヘルパー』と『混雑度による安全ヘルパー』などの、期間制の人材を投入することだった。しかし、駅員たちは、「彼らは駅員の安全保護には役に立たっていない」(51%)と感じていた。身分上の権限と責任の不在、業務の専門性不足などの理由で、現実的に二人一組での勤務は難しい状況だと答えた。

公社が支給した盾やホイッスル、防犯装備などの安全保護装備に対する実効性を尋ねる質問には、回答者の60%が「役に立たない」と答えた。サイズ、重さ、携帯が不便なだけでなく、安全保護装備を使っても自分の安全を担保できないという回答が多かった。

駅員たちが最も望む対策は『人材拡充』だった。「事件の再発防止のために必要な対策」と、「駅の安全のために必要な措置」を尋ねる質問のいずれにも、『単独勤務を防止する人材の補充』という回答が最も多かった。

ソウル交通公社労組のミョン・スンピル委員長は「駅で働く職員は、会社の指示と指針通りに勤務できないと訴える。また、会社は現場に適用できない対策を、指示とマニュアルによって出していると証言している。」「新堂駅惨事の教訓を忘れていなければ、安全を強化するために、ソウル市は会社が主張するように人員削減をするのではなく、人材を補充するべきだ。人員削減と外注化では安全を確保できない」と強調した。

この事件は昨年9月14日、ソウル地下鉄の新堂駅のトイレを一人で点検していた女性駅員が、彼女をストーキングしていた元職場の同僚に凶器に刺されて殺害された事件だ。事件が起きた日は、加害者は被害者をストーキングした疑いなどで起訴され、懲役9年を求刑された事件の宣告公判を翌日にしていた。

その後、ストーカー事件と殺人事件が併合されて進められた二審では、加害者に無期懲役が宣告され、加害者は7月に上告している。

11日午前、新堂駅の10番出口の近くに設けられた新堂駅事件一周忌追悼の場所で、ソウル交通公社労組の関係者たちが追悼をしている。2023.09.11. /ニューシス

2023年9月11日 民衆の声 ナム・ソヨン記者

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