ソウル行法、白血病で死亡したハンソルケミカルの労働者に労災認定2020年1月17日

金属労組法律院、民主労総全北本部、パノリムによれば、ソウル行政法院は10日、業務上疾病を不認定とされたLさんの遺族が提起した遺族給付・葬祭料の不支給処分取り消し訴訟で、原告勝訴判決を行った。
故Lさんは2012年にLGディスプレイ、サムスン電子などに電極保護剤・洗浄剤・電子材料を生産して納品するハンソルケミカルに入社した。ハンソルケミカルで生産業務を担当したLさんは、入社3年10ヶ月目の2015年に急性リンパ性白血病に罹った。Lさんは2016年8月に亡くなり、遺族は勤労福祉公団に遺族給付と葬祭料支給を申請。
公団は産業安全保健研究院の疫学調査報告書を引用して、白血病を誘発する主な有害因子であるベンゼン・ホルムアルデヒド・1.3-ブタジエンなどにばく露したレベルが基準値に達していない、として申請を不承認とした。
ソウル行政法院は「事業場が、化学物質使用に関する法令上の基準から逸脱していないからといって、安全だと断定することはできない」とし、「故人は事業場で発生したベンゼンなどの白血病有害因子に持続的にばく露して疾病に罹り、疾病の悪化で死に至った」と判示した。法院は、ハンソルケミカルが産業安全保健法によって2012年から2015年までに実施した作業環境測定結果報告書で、ベンゼン・ホルムアルデヒド・ブタジエンなどの有害因子を測定対象から除外した点を指摘して、「故人が上記の期間に各有害因子にばく露した数値がどの程度なのかが明確に判らない」と皮肉った。更に「本件発病以前に各有害因子に対するばく露防止措置を適切に準備したのかにも疑問を感じる」と指摘した。
ソウル行政法院は、職業病被害者が主な有害因子にどれだけばく露したのか知ることができる資料の提出を拒否した事業主と関連行政庁の態度に言及して、「故人に有利な間接事実と考慮する他ない」とした。

2020年1月17日 毎日労働ニュース カン・イェスル記者