「半地下の給食室で勤務」肺がんの給食従事者が集団労災申請 2023年05月22日 韓国の労災・安全衛生

22日、龍仁市の勤労福祉公団龍仁支社で、公共運輸労組全国教育公務職本部京畿支部所属の給食労働者が、肺がんによる労災を申請している。/教育公務職本部提供

城南市のある高等学校は給食室が半地下にある。換気が悪く、日常的に温度と湿度が高い。この給食室で働く調理実務士の多くが中耳炎を患っている。

この給食室で15年間を調理実務士として働き、揚げ物などを担当したA(64)さんは2018年に肺がんと診断され、肺の一部を切除する手術を受けた。Aさんは昨年、勤労福祉公団から業務と肺がん発病の関連性が認められ、労働災害として承認された。しかし、Aさんの肺がんが労働災害と認定された後も、彼女が働いていた学校給食室は、未だ半地下にある。環境改善に関する事項は、昨年、換気扇の消耗品を交換したのが全てだ。

学校給食室で働く調理師・調理実務士が、肺がんなど肺疾患の診断を受けることが増えているが、換気施設などの環境改善は遅々として進んでいないと指摘された。全国教育公務職本部京畿支部所属の調理師・調理実務士5人が22日、勤労福祉公団龍仁支社に労災申請をした。彼女たちは京畿道内の学校給食室で11~17年間、調理師と調理実務士として働き、肺がんの確定診断を受けた。

教育公務職本部によると、学校給食労働者の肺がんは2021年に初めて業務上疾病と認められ、昨年までに合わせて32件が労災と認められた。

教育公務職本部は、被災者が働いた学校給食室の環境さえ未だに改善されていないと指摘する。労組によると、肺がんで闘病し、昨年5月に60歳で亡くなった調理実務士のBさんが14年間働いた京畿光明市の学校給食室も同じだ。2017年に肺がんと診断されたC(64)さんが19年間働いていた安養市の小学校の給食室も改善されていない。

教育公務職本部は「数年間、換気施設の老朽化と人手不足、半地下の給食室の問題などを提起したが、このような問題は改善されず、肺がんが疑われる患者が引き続いて出ている」と話した。「共に民主党」のカン・ドゥクグ議員によると、17市道教育庁の給食労働者4万2077人に対する肺検診の結果、1万3653人(32.4%)に異常所見が見付かった。肺がんの疑いがある労働者は全国で338人に達する。このうち125人は、食数が多くて労働強化が激しい京畿地域に集中している。政府は肺疾患に罹った給食労働者が続出すると、3月になってようやく換気設備の改善方案などの対策を出した。教育公務職本部は「肺がんと各種労災で病気になった給食室で働く人数が足りない現状を座視せず、実質的で全面的な環境改善のために闘う」と話した。

2023年5月22日 京鄕新聞 ナム・ジウォン記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202305221623011