「会社の陰口に法的責任」・・・「荒唐パワハラ契約書」の展示会 2023年05月11日 韓国の労災・安全衛生

ゲッティ・イメージバンク

「オン・オフラインに、会社に反対する文書を掲示したり対話をすれば、民・刑事上の法的責任を問うことができるそうです。退社した後も、職員や消費者に対して会社の良くないことを言えば、法的な責任を問うと言います。会社に対して陰口を叩くことが罪になりますか」(2023年4月、職場の甲質119への情報提供)

「勤労契約書に、業務上の服務管理のために、私のコンピュータの閲覧とCCTVを設置・管理をするとなっています。この契約書にサインをすれば、このような部分についてもすべて同意したことになるのですか?」(2023年1月、職場の甲質119への情報提供)

職場の甲質119が、2020年から2023年3月までの3年間に届けられた勤労契約書に関する情報提供、637件を分析した結果、この中にパワハラ条項がある事例が191件(30%)と集計された。勤労契約書は勤労基準法によって、賃金、勤労時間、休日、年次休暇など、勤労条件を記載して作成しなければならないが、実際の現場では、法に違反した条項を盛り込んだ勤労契約書が蔓延しているのだ。職場の甲質119は、11日から二日間、毒素条項が深刻なパワハラ契約書30件を国会で展示する。

パワハラ勤労契約が蔓延しているにも拘わらず、これを申告したり処罰する法的な措置は不充分だ。勤労基準法上、勤労契約書を作成しなかったり、これを交付していない状況しか処罰できないためだ。その他には、労働法に違反した状況が発生していなければ申告できない。雇用労働部は標準勤労契約書を作ったが、強制性がないというのが問題だという指摘が続いた。会社が自分の好みに合う勤労契約書を作っている背景だ。

勤労契約書に含まれる勤労基準法上の勤労条件の範囲が包括的だというのも問題だ。法17条には、使用者が勤労契約を締結する際、賃金、所定勤労時間、休日などを明示せよと規定されている。もし会社が「秘密遵守義務に違反した場合、年俸の10倍を賠償する」という毒素条項を入れても、これを規制できる根拠はない。

職場の甲質119のキム・ウンジン弁護士は、「政府は勤労基準法に違反した勤労条件を定めた勤労契約書に対して、より厳格に管理・監督をすべきだ」と話した。展示会を共同主催した民主党のキム・ヨンジン議員は、「雇用労働部は、勤労契約に関しては、より厳格な勤労監督を、周期的に実施するべきであり、こうしたパワハラ契約がこれ以上発生しないように、根本的な制度的な装置を模索するべきである」と話した。

2023年5月11日 ハンギョレ新聞 キム・ヘジョン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1091410.html