「ポケモン・パン」を買わない理由? 2022年10月29日 韓国の労災・安全衛生

ポケモンパンを買わない理由?[暗号名3701]

製パン工場で夜間勤務をしていた青年が、サンドイッチ配合機械に巻き込まれて死亡する事故が発生しました。A(23)さんは15日、平澤市にある製パン工場、SPLで死亡しました。SPLは食品流通会社SPCの子会社です。SPCグループの代表的なブランドとしては、パリバゲット、サムリップ、バスキンロビンスなどがあります。

この事故を契機に、これまでSPCが労働者の安全管理を疎かにしてきたという指摘が出てきました。今回の事故当時も人員が足らず、「二人一組」作業の規定が守られなかったという証言が続きました。危急な状況で、配合機をすぐに止めてくれる同僚がいなかったのです。

SPLが安全教育などに使う「安全予算」を一年振りに20%縮小していたという事実も明らかになりました。「国民の力」のイム・イジャ議員室にSPLから提出させた資料によると、去年7億3200万ウォンだった安全関連予算は、今年5億8200万ウォンに減りました。

今回の事件が起きる1週間前にも、同じ工場でベルトに職員の手を挟まれる事故が発生したこともありました。

SPCグループのホ・ヨンイン会長は、事故から6日過ぎた21日に記者会見を行い、この事故に対して謝罪しました。しかし、SPCが故人の殯所に自社製のパンを送り、事故翌日には工場を再稼動したという事実が知らされ、不買運動はオンライン、オフラインで続いています。SNSには「#SPC不買」というハッシュタグが上がってくる一方、SPC系列会社のリストと一緒に「労働者の血がついたパンは絶対食べない」という掲示文も上がってきました。京郷新聞とインタビューしたある市民は、「生命より金儲けが重要な会社」と怒りを露わにしました。

今回の「暗号名3701」映像では、ポケモンパンをはじめとするSPC製品不買運動を取り上げました。「ポケモンパン」はSPC系列会社のサムリプの代表商品です。

26日にTikTokチャンネルにアップロードした今回の映像には、視聴者の多くの関心が集まりました。再生数67万件余り(29日午前現在)が出ており、視聴者の多様な意見が盛り込まれた1800件余りのコメントが掲載されました。

「私も買ってない」「コンビニでポケモンパンと目が合ったんだけど・・・。曇った目をして帰ってきた」と、不買運動に参加するという意見がありました。ある視聴者は「企業をしっかりさせることができるのは、政府ではなく消費者」と一喝しました。一部の利用者は「亡くなった方には残念なことだが、だからといって不買運動をされた方達はどうやって稼ぐのですか?」と、不買運動の打撃が小商工人に転嫁されるのでは、という心配を交わしました。

2022年10月29日 京郷新聞 ヤン・ダヨンPD、ユン・ギウン記者

https://www.khan.co.kr/national/national-general/article/202210290702001