政府「半導体労働者白血病死亡危険2.8倍」と公式確認2019年5月22日
国内の半導体工場でチップを扱う女性労働者が白血病に罹る危険が、労働者全体より1.59倍高く、亡くなる危険性は2.8倍も高いという、国家機関次元で初めての研究調査結果が出た。同じ血液がんの非ホジキンリンパ腫では、死亡の危険が最大で3.68倍も高かった。半導体労働者の健康と人権守る会(パノリム)等が10年を超えて主張してきたことが、やっと事実と確認された。
安全保健公団のキム・ウンア職業健康研究室長は22日、「半導体製造工程勤労者に対する健康実態疫学調査」の結果を発表した。研究陣が2009年から10年間の疫学調査を行った結果、半導体会社で働く女性労働者が白血病に罹る危険性が1.55倍高いことが分かった。この内、工場のクリーンルームで半導体チップを直接扱う20~24才の女性オペレーターの危険比は2.74倍であった。研究陣はサムソン電子・SKハイニックスなど、半導体会社6ヶ所で働いた前職・現職の労働者20万1057人を追跡調査した。
女性オペレーターが白血病で亡くなる危険性は、他の労働者の2.81倍に達した。非ホジキンリンパ腫の場合、半導体工場の女性オペレーターの発生危険比が2.19倍に達し、半導体会社の女性労働者全体がこの病気で死亡する危険性は3.68倍にもなった。一般国民と比較して2.52倍高かった。
研究陣は「甲状腺がん、胃がん、乳がん、脳と中枢神経系がん、腎臓がんなどの危険比が増加した」としながら、甲状腺がんと女性の胃がんと乳がんは、職場の総合健康診断の充実などで、半導体会社の労働者の発病の事実が多く判るようになった可能性などを挙げ、「追跡観察が必要」という意見を出した。
今回の研究結果によって、半導体事業場で働いて各種の血液がんに罹った労働者が、産業災害の承認を受けるのが容易になると予想される。雇用労働部が昨年、白血病・悪性リンパ腫など8種の疾患の場合に、産災承認の過程を簡素化する、いわゆる「推定の原則」を導入して広くなった半導体労働者の産災承認の門が、更に広くなったわけだ。
パノリムはこの日論評を出し、大企業の半導体工場で働く構内下請け労働者が今回の調査から抜け落ちた点、半導体工場の作業環境と化学物質に対する調査が正しく行われておらず、各種がんなど、疾病の原因を見付けることができない点などを挙げた。パノリムは「胃がんや乳がん、甲状腺がんは、単に健康診断の機会が増えて増加したのではなく、夜間交代勤務や(工場での)放射線ばく露の影響ではないかについて検討しなければならない」と主張した。
ファン・サンギ・パノリム代表は<ハンギョレ>との通話で「2007年にうちのユミが産業災害を申請をした時、サムソンは『個人の病気』と言い逃れ、政府もこれをオウムのように真似て、最後まで言い逃れした」とし、「今、私たちが10年前にした話が、100%正しかったということが立証された」と話した。
2019年5月22日 ハンギョレ新聞 チョン・チョンフィ記者