廃棄物処理施設の爆発で今年4人が死亡・・・・政府、危険警報発令 2022年6月20日 韓国の労災・安全衛生
今年に入って廃棄物処理・運搬業での爆発事故で労働者4人が亡くなり、政府が浄化槽、廃水・廃棄物処理施設などを保有する企業に「危険警報」を発令した。廃棄物処理の過程で発生したガスをきちんと除去せずに溶接作業をすれば、事故に繋がる危険が大きいからだ。
雇用労働部は最近になって、浄化槽(トイレ)と廃水・廃棄物処理施設の補修作業中に火災・爆発事故が頻繁に起きたため、25日から来月30日まで、このような施設物を持つ企業等に「労災死亡事故危険警報」を発令し、火災の起きる危険な作業にともなう安全規則の遵守を注文した。
11日、平澤高徳新都市の生活廃棄物処理施設内の廃棄物処理場で爆発が起き、溶接をしていた労働者が亡くなり、警察と労働部が事故原因を調査している。3月にも安山の産業廃棄物処理業者で、溶接の火花でタンクに残っていた油の蒸気が爆発し、溶接をしていた労働者2人が死亡し、4月にも天安の廃食用油のリサイクル工場での油蒸気爆発で、加熱作業をしていた労働者1人が死亡し1人が負傷した。
廃棄物処理施設では、廃棄物が腐って発生するメタンや硫化ガスなどによって労働者が窒息する危険が大きい。火花が散る作業をして引火性ガスと化学反応を起こした場合、爆発事故に繋がる危険も高い。廃棄物処理施設で発生した火災・爆発事故は、2015年から5年間に7件(21.9%)で、該当施設で発生した全死亡事故32件のうち、窒息事故(21件・65.6%)の次に高い割合を占める。火災・爆発による死亡者は16人で、全体死亡者52人のうち30.7%だ。
事故が最も多く発生した作業類型は、清掃・処理(12件)と維持・補修(7件)で、生産活動に関連した日常作業ではなく、非日常の業務だ。溶接など、火災発生の危険がある作業を指示する事業主は、事前にガスが発生し得る廃棄物を片付けて換気し、作業途中もガスの濃度を測定して引火性ガスがないか確認しなければならない。しかし突発的に行われる維持・補修などの業務に関しては、事業主の細かい安全措置がきちんと行われていないのが実情だ。
2022年6月20日 ハンギョレ新聞 シン・ダウン記者