「ビニールハウでス死亡」移住労働者に労災認定 2022年5月2日 韓国の労災・安全衛生

世界移住労働者の日の記念大会が行われた昨年12月19日、参加者たちがビニールハウスの宿舎で死亡しているのが発見されたカンボジア人移住労働者・ソッケンさんを追悼している。祭壇には東南アジア産の果物が置かれている。/キム・チャンギル記者

2020年12月、ビニールハウスの宿舎で死亡した状態で発見されたカンボジア出身の移住労働者・ソッケンさんに、勤労福祉公団が労災を認めた。ソッケンさんの死は移住労働者の劣悪な住居環境が社会問題になる端緒となった事件だ。

2日、京郷新聞の取材を総合すると、ソウル業務上疾病判定委員会はソッケンさんが業務上の疾病によって死亡したと認めた。ソッケンさんの遺族は昨年12月、故人が労災で死亡したとして遺族給付と葬儀費の補償を請求していた。

労災と認められるためには、労働者の死亡と業務の間に因果関係が存在しなければならない。疾病判定委員会は、ソッケンさんが肝硬変を患っており、積極的な治療が必要だったのに、業務を行う過程で治療が正しく行われていなかったと判断した。移住労働者は病気であっても、言語・費用などの問題で国内の医療機関を利用することが困難で、委員会はこのような状況がソッケンさんの疾病を悪化させたという点を考慮した。ソッケンさんは、韓国政府の人材需給の必要性による「雇用許可制」によって韓国で働いていた。

ソッケンさんは剖検の結果、死因は肝硬変による食道静脈瘤破裂であることが判った。民主社会のための弁護士会、全国不安定労働撤廃連帯などの法律家団体は、今年1月に公団に提出した意見書で、「使用者が宿舎の杜撰な管理など、労働者への配慮義務に違反したため、ソッケンさんは極寒に耐えなければならない環境に置かれていた」。「このため肝臓疾患が自然な進行速度以上に急激に悪化し、死亡に至った」と主張した。

「ソッケンさん事件」以後、市民社会団体が移住労働者の劣悪な住居環境について問題提起した。その後、政府は住居改善対策を発表したが、移住労働者の突然死の規模や構造的な原因は依然として追跡されていない。雇用許可制で入国したにも拘わらず、本国にいる遺族と連絡が取れないなどの理由で、死亡原因を究明して責任の所在を問うことがキチンと行われていないためだ。「移住労働者の宿舎労災死亡対策委員会」のチェ・ジョンギュ弁護士は、「移住労働者が突然死したとすれば、過労死などの労災の疑いがあるが、労災申請をするための救助ができていないという点で、ソッケンさんに対する労災認定には大きな意味がある」。「今回の事例が移住労働者の死に対する原因究明が正しくできる出発点になれば良い」と話した。

2022年5月2日 京郷新聞 イ・ヘリ記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202205021634001