ソウル大の清掃労働者の死亡に労災認定 2021年12月28日 韓国の労災・安全衛生

今年7月、ソウル大学の冠岳学生生活館「アゴリウム」に、亡くなった清掃労働者の追悼場所が設置された。/聯合ニュース

重いゴミ袋を持って、エレベーターのない4階建ての建物を上下しながら働き、急性心筋梗塞で死亡した清掃労働者に、勤労福祉公団の業務上疾病判定委員会が、死亡と業務の間に相当因果関係があると判定した。

今月22日、イさんの遺族を代理する法律事務所「仕事と人」は、勤労福祉公団のソウル業務上疾病判定委員会が、ソウル大学校の清掃労働者イさん(59)の死亡事件について判定会議を開き、イさんの死亡を業務上の災害として承認したという事実を、勤労福祉公団のソウル冠岳支社から伝えられたことを明らかにした。

今年6月、自分が担当していたソウル大寮の職員休憩室で遺体で発見されたイさんは、普段はエレベーターのない4階建ての寮の中を上下しながら、100リットル入りのゴミ袋を数個運び、トイレ、読書室、シャワー室など、建物の内部も一人で掃除していた。こうした中で新たに任命された安全管理チーム長が、業務と関係のない筆記試験を受けさせたり、服装を評価していた事実も、後で明らかになった。事件を代理したクォン・ドンヒ労務士は、「イさんの勤務記録を調べた結果、日常的に週6日勤務をしており、急性心筋梗塞で死亡する前の約3カ月のうち、完全な休日は7日に過ぎなかった」として、今年9月に勤労福祉公団に業務上災害(遺族給与請求)を申請した。

ソウル業務上疾病判定委員会の判定は、単に労働時間だけで過労かどうかを判断せず、イさんが働いていた労働環境を総合的に調べたという点で、異例のことだった。イさんの死亡前12週間の平均勤務時間は44時間55分で、雇用労働部の告示で定められた業務上疾病の認定基準には及ばなかった。しかし判定委は「イさんが週休2日制を実施し、エレベーターのない4階建ての階段を利用してゴミを片付け、移動しなければならなかったこと、コロナ19以降のゴミの増加で業務負担が重くなった上に、老朽化した建物で換気が良くできないシャワー室のカビを洗浄しなければならなかったことなどから、業務時間だけでは算定されない、肉体的な強度の高い労働を続けていたと判断される」とした。

また筆記試験の受験を要求するなど、職場内の嫌がらせについても、「(労働部の)調査で一部事実が認められ、ストレスの要因が6月中に一挙に発生したことから考えると、追加的なストレスとして働いた」と付け加えた。これを基に、判定委はイさんに喫煙と飲酒の履歴がなく、死亡に関連する基底疾患もないとして、「業務と(死亡との)相当因果関係を認めるのが妥当」と結論付けた。

クォン労務士は<ハンギョレ>との電話で、「これまでの主な判定傾向とは違い、ソウル判定委が雇用労働部の告示基準を機械的に適用せず、イさんの労働環境を総合的に判断した点で有意義な判定」で、「イさんが古い建物で強度の高い掃除業務をしたことが死亡の主な原因であり、職場内のいじめやストレス、掃除の検閲などの精神的なストレスが重なったことを、判定委が考慮した」と説明した。また「今になって、故人の崇高な労働の価値が労災として認められたことは幸いで、遺族と、労災を認めてもらうために尽力してくれた労働組合を侮辱した者たちからの心からの謝罪がなければならない」と付け加えた。イさんが死亡した当時、ソウル大の関係者が労組に対し、「魔女狩り式のいじめのねつ造だ」という書き込みを、インターネットの掲示板に掲載したことを批判したのだ。

イ氏の夫はこの日、<ハンギョレ>との電話によるインタビューで、「22日にソウル業務上疾病判定委員会に出席した時は労災認定は難しいと思ったので、今日の知らせを聞いて嬉しい気持ちで一杯だった。」「労災認定まで、労働者の声を代弁し、支援してくださった労組と多くの方々に感謝したい」と話した。また、「今回の判定をきっかけに、ソウル大は人権に抵触する学内の労働環境はないかを点検し、二次加害を行った関係者は自らを反省し、成熟した先生として生まれ変わることを願う」と付け加えた。

2021年12月28日 ハンギョレ新聞 シン・ダウン記者、コ・ビョンチャン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1024967.html