半導体工場の電気工の『再生不良性貧血』は「労災」 2021年12月7日 韓国の労災・安全衛生

資料写真/チョン・キフン記者

半導体工場の工事現場の電気工が持続的に有害化学物質に曝露し、極低周波磁場などの他の要因と複合的に作用して『再生不良性貧血』を発症したのは、業務上災害に該当するという判決が出た。裁判所は半導体の生産工程を直接行っていなくても労災に該当すると判断した。

ソウル行政法院は、半導体労働者のA(59)さんが勤労福祉公団に対して提起した療養不承認処分取り消し訴訟で、原告勝訴判決を行ったと明らかにした。

Aさんは1994年から約20年間、サムソン電子器興半導体工場など、色々な工事現場で電気線路工として働いた。業務の特性によって、極低周波と電磁波に常時曝露した。そうしている間の2007年2月頃、利川半導体工場の電気線路の撤去工事で、アンモニアと窒素ガスの漏出事故に遭った。この事故で詳細不明の貧血と汎血球減少症と診断され、2011年1月に再生不良性貧血(特発性無形性貧血)と診断された。

Aさんは公団に療養給付を申請した。しかし公団は、電磁気波とアンモニア、窒素ガスと、貧血発症の間に相当因果関係がないとして、療養不承認処分を行った。Aさんの基底疾患であるB型肝炎によって発病した可能性が大きいということだった。

裁判所はAさんの手を挙げた。裁判所は、「Aさんが持続的に曝露した極低周波磁場と、半導体工場で電気工として働いていて曝露した、ベンゼン、ホルムアルデヒド、ヒ素などの有害化学物質が、体質などの他の要因と一緒に複合的に作用して、貧血を発症させたり、少なくとも自然的な経過以上に悪化させる原因になったと推定できる」と判示した。

特に「半導体事業場で測定された有害物質の濃度が、作業環境曝露許容基準未満だったとしても、作業をした当時の状況によって瞬間的に高い濃度の化学物質が発生し、これに曝露した可能性も排除できない。」「このような点を考慮して、裁判所の鑑定医も、ベンゼン、ヒ素、ホルムアルデヒドへの慢性的な曝露が貧血の発生に影響を及ぼした可能性があるという所見を明らかにしている」と説明した。

Aさんの代理をしたムン・ウンギョン弁護士は、「20余年間活線作業をして、長期間持続して極低周波磁場に曝露した点と、有害物質管理がされていなかった1996年から1999年に、半導体工場の内部で電気工として働いて、有害化学物質に曝露したことが複合的に作用して、再生不良性貧血が発症したり、悪化・促進した点を認めた判決」として、「特に再生不良性貧血のような血液疾患の場合、既存の半導体工場で曝露したベンゼンなどの色々な有害物質だけでなく、極低周波磁場を主要な有害要因として認定した判決として意味がある」と話した。

2021年12月7日 毎日労働ニュース ホン・ジュンピョ記者

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