今日また一人亡くなった・・・・挟まれ死61%が清掃・点検・修理中に 2021年10月27日 韓国の労災・安全衛生

故キム・ヨンギュンさんが働いていた韓国西部発電の泰安火力に掛かっている安全帽。/パク・ジョンシク記者

27日の午前7時48分頃、慶南・昌原のある自動車部品専門業者の工場で働いていたK(32)さんが、圧力で物を移動する油圧二巻機を点検するために機械の中に入っていて、突然動き出した機械に胸を挟まれた。横のラインで作業していた同僚が見付けて、救急車を呼んで病院に移送したが、9時15分頃、結局亡くなってしまった。現場を調査した民主労総金属労組の関係者は「作業者がドアを開けて入っても機械はずっと動いて、平常時でも危険だったし、出入り口にはシーガン装置(開閉装置)もなかった。」「機械の周囲に防護柵も設置されず、労働者は常に危険に曝されている」と話した。

製造業現場で「挟まれ」で発生する死亡事故10件のうちの6件が、Kさんのように、清掃と点検、修理などの非日常的な作業をする時に発生していることが明らかになった。危険な設備を作動する時だけでなく、製造業の設備全般にこのような傾向が現れた。

雇用労働部が2016年から2020年までに発生した製造業での「挟まれ」死亡事故374件を分析した結果、生産などの日常的な作業中に発生した事故は145件(38.8%)で、残りの229件(61.2%)は、清掃、点検、整備、修理などの非日常的な作業中に発生していることが明らかになった。類型別に見れば、清掃が64件(27.9%)で最も多く、点検が45件(19.7%)、調整が30件(13.1%)だった。2018年12月に韓国西部発電の泰安火力で発生したキム・ヨンギュンさんの狭窄死も、やはり燃料供給用のコンベヤーを点検中に発生した。

このような事故は危険設備だけでなく、製造業設備全般で起きた。製造業全体の挟まれ死亡事故の内、クレーン、コンベヤー、リフト車など、10大危険設備が占める比率は165件(44.1%)だが、残りの209件(55.9%)は10大危険設備に該当しない設備で起こった。

非日常的な作業をしていて事故が多く発生するのは、先ず、日常的な生産業務よりも業務手続きが複雑で、他の企業に外注することが多く、不慣れな者が作業をすることが多いためであると分析される。しかし、もっと大きな問題は、業務の効率性などを理由に、工場や設備がキチンと停まっていない状態で、清掃や点検作業をするケースが多いということだ。

実際に産業安全保健公団傘下の産業安全保健研究院が昨年作成した『製造業の挟まれ死亡事故縮小と事業場の効率的な管理方案研究』を見ると、挟まれ事故の発生類型は、△稼動中の機械装置の挟まれ部分に防護装置がなかったり、解除されたままで整備、△機械の内部に入って点検・修理中に、外部の作業者がこれを知らずに機械を操作、△作業中に突然停止した機械を、電源を遮断せずに点検・修理中に、停止した原因が解決されて機械が再稼働、△設備周辺の作業者を見ることができずに該当設備を操作、などの四つに分類されている。

安全保健公団は、清掃などの作業をする時は、機械が作動しないようにするための開閉装置を設置して担当者を置き、鍵を別に保管するようにするなどの『ロト』(LOTO・Lockout、Tagout)システムを守るように企業に提案しているが、これはキチンと守られていない。民主労総慶南地域本部のキム・ビョンフン労働安全局長は「非日常の作業も危険要因を事前に把握する『危険性評価』を受けるので、会社は危険要因を認知し、防護物を置いたり、機械の作動を禁止する措置をするべきだという事実を知っている。」「問題は、現場でこれが実行されているのかを把握できるシステムが足りないということ」と話した。キム局長は「清掃や機械点検をする時は、機械が作動しないようにするのが事故予防の基本原則なのに、生産日程が優先されてこのような措置が放置され、ラインを止める決定も労働者個人に任せられているため、個人が相当な負担を感じている。」「機械に出入りする時は、ロックと電源遮断が原則になるように、事業主が明確な体系を作るべきだ」と話した。

2021年10月27日 ハンギョレ新聞 シン・ダウン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1016881.html