『看護師一人当りの担当患者数を縮小』国民同意請願が10万人達成 2021年10月25日 韓国の労災・安全衛生

看護師一人当りの担当患者数を制限する『看護人材人権法』の国民同意請願が、25日に10万人の同意を達成した。これにより、該当法案の所管国会常任委員会である保健福祉委員会のテーブルに上がることになった。

先月9月27日から始まった『看護師一人当りの担当患者数の縮小に関する請願』は、同意期間(請願書公開以後30日以内)終了を2日前に、10万人の同意を得た。

この請願で上がってきた『看護人材人権法』の核心内容は、一般病棟と特殊部署で、看護師一人当りの勤務組別担当患者数を制限するということだ。

現行医療法でも看護師1人当り12人という基準を明示しているが、強制条項や処罰条項がなく、守られていない。

今回提案された『看護人材人権法』は看護人材基準を具体的に提示した。

△一般病棟は病院の種別と関係なく患者12人当り看護師1人以上、△集中治療室は患者2人当り看護師1人以上、△外傷応急室は患者1人当り看護師1人、△手術室は患者1人当り看護師2人、△新生児集中治療室、冠状動脈患者集中治療室は患者2人当り看護師1人以上、△応急室、小児科病棟、分娩室は患者4人当り看護師1人以上にするという内容だ。

これを守らない医療機関に対しては、懲役と罰金を賦課する処罰条項も含んでいる。

この外に、地域看護師の低賃金問題を解決するための方案、暴言と暴力・セクハラなどから看護師を守る内容、新規看護師の修練環境改善のための制度的な装置作りなどの内容も含んでいる。

請願人は「現在の我が国の看護師は、余りにも多くの数の患者を独りで担当しなければならない。大きな大学病院の場合、看護師1人当り12~20人、療養病院の場合、40人も担当している。看護師は食事とトイレをあきらめて忙しく跳び回るため、胃腸病、膀胱炎に苦しめられ、不規則な交代制の生活によって睡眠障害に苦しめられている。」「このような病院環境は、看護師を病院から離れるようにさせ、結局、免許所持看護師の内の半分しか病院で働いていないのが現実」と指摘した。

請願人はまた「看護師が建康で働けてこそ、患者の健康もまた守られる。多くの研究によれば、看護師一人当りの患者数が減るほど、患者の死亡率、在院率、再入院率、転倒事故、投薬ミスなどが減少する」とし、「カリフォルニア、オーストラリアなどが看護師対患者の比率を法で定めている」とした。

それと共に「看護師一人が担当すべき患者数を減らさなければ、看護人材不足の問題の悪循環は止められない。」「看護師が安全に働いて、患者の治癒に専念できるように、看護師一人当りの患者数を法制化して欲しい」と訴えた。

国民同意請願運動を牽引した民主労総公共輸送労組医療連帯本部は「今は、国会が答えるべき番」と催促した。

医療連帯本部は「現行国会法は『委員長が幹事と合意した場合は議案を上程しないように』したり、『長期間の審査を要する場合、請願審査を追加して延長できる』とする有害な条項があり、10万人の同意を得ても国会で正しく議論されない可能性がある。」「10万人の声が無駄にならないように、国会と政府は関連の後続措置を早く施行しなければならず、各政党の大統領選候補は、看護師一人当りの患者数の法制化に対する考えを表明すべきだ」と強調した。

また、医療連帯本部は「10万人の国民同意請願で証明された、看護師一人当りの患者数法制化の要求をはじめ、保健医療と社会サービスの公共性の強化に関する五大要求を掲げて、11月11日に産別ストライキ総力闘争を行う予定」とし、「大統領選挙を控えているので、大統領選候補が関連した政策を出せるように持続的なキャンペーンも同時に行っていく予定」と明らかにした。

2021年10月25日 民衆の声 チェ・ジヒョン記者

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