「今年308人死亡、危険作業を拒否」建設労働者が20日に工事を止める 2021年10月19日 韓国の労災・安全衛生
民主労総全国建設労働組合が、20日に「危険作業を拒否する」と宣言した。
建設労組は19日に国会前で記者会見を行い、安全な建設現場のために、仕事を止めて『10・20民主労総ゼネスト』に結合すると明らかにした。
建設労組によれば、今年1月から6月までの上半期だけで、308人の建設労働者が現場で死亡災害に遭った。建設労組は「依然として、建設労働者は一日に二人ずつ予告された死を迎えている」とし、「落ちて死に、資材にぶつかって死に、挟まれて死に、感電して死ぬ」と指摘した。
建設労組が組合員8368人を対象に、8月17日から24日までの一週間に調査をした結果、建設現場の頻繁な事故原因の第一順位に、不法多段階下請け(57.6%)が挙げられた。続いて最低価格落札制(50.2%)、速く速くの速度戦(40.9%)が高順位を占めた。
これにより、発注者の適正な工期設定、建設機械事故の元請け責任の強化などを内容とする建設安全特別法の制定が必要だという回答が83%に達した。建設労組が今回のゼネストに参加して、核心スローガンとして『建設安全特別法制定』を掲げた理由だ。
建設労組は「すべての建設現場事故の共通点には「三未」がある。作業計画書の未作成、安全人材の未配分、安全装備の未設置・未支給などがそれ」とし、建設安全特別法は三未を防止する」と説明した。
また「発注者が適正な工事期間と費用を義務として提供するようにしている。監理や元請け建設会社など、各主体の責任を明示し、すべての建設機械にこの法が適用されるようにしている」として、「規模や種類に関係なく、すべての工事に法が適用され、光州の参事以後の市民の惨事にも適用されるようにした」と説明した。
しかし、建設安全特別法は、建設業界の反発で依然として国会に係留中だ。建設労組は建設業界の反対で、法案の上程さえ難しい状況だと見た。建設労組が、結局仕事を止めてゼネストに立ち上がる背景だ。建設労組は「人を生かすゼネスト」「生存権のためのゼネスト」と規定した。
イ・ヨンチョル委員長は「政府が特別法を作ってでも建設労働者の死を防ぐと話して数年が過ぎ、建設安全特別法制定の公聴会すら、発議して1年が過ぎるのに開かなかった。」「建設労組の幹部1千人が雨の降る中で上京闘争をすると言うと、上京闘争の前日の9月28日に慌てて公聴会を行ったと批判した。
一方で彼は「私たちは公聴会が第一歩だと考え、まだ行くべき道は遠いが、建設労組の闘いの決意を再度確かめることができた。」「20日『世の中の不平等をひっくり返そう』という民主労総のゼネストに参加する」と宣言した。彼は「建設現場には、建設労働者の命より重いものはない」と声を強めた。
また、建設労組は「雇用の安定と労組する権利、賃金団体交渉の争奪のためにゼネストを行う」と明らかにした。
民主労総は、労組があってこそ、より安全に働くことができると強調した。雇用労働部の統計によれば、建設業の労働者228万4916人の内、産災事故による死亡者は458人で、事故死亡万人率が2.0に達する。一方、今年の民主労総建設労組の代議員大会の資料と福祉費の支給現況を見ると、昨年の建設労組の全組合員5万2439人の内、死亡事故は2人で、事故死亡万人率が0.3だったということだ。
建設労組は「賃金と団体協約で、8時間労働、建設技能学校の運営による建設現場技術養成、重大災害処罰法に続く建設安全特別法の制定活動と、これによる安全文化の拡大などが、現場の安全に寄与した」と判断した。
ところが、建設労組は、政府がこのような労組の活動を保障していないと批判した。建設労組は「大韓民国には建設会社がコンビニよりも多い7万社もある。政府はこの中のどの建設会社がペーパーカンパニーなのかも知らず、不法請負の摘発件数は微小だ」とし、「建設現場の雇用構造を不法請負業者に預けておいて、雇用安定を要求して賃金団体協約を追求する建設労働者を、色々な法を動員して捕まえ、閉じ込めている」と批判した。
建設労組建設機械分科のイ・ヨンチョル委員長は「建設労組の中には建設機械労働者がいる。生コン車を運転し、各種建設機械を運転する、いわゆる特殊雇用労働者がいる」とし、「ムン・ジェイン政府はスタートと同時に、特殊雇用労働者の労働基本権を保障するILO協約を批准すると言った。その協約を批准すれば、それに合うように国内法も改正しなければならないが、依然として建設機械労働者、特殊雇用労働者の労働基本権を保障することができていない」と説明した。
続いて彼は「建設機械労働者は、建設会社と団体協約を結ぶ。労組だから、労働者の権利だから、当然正当なこと」とし、「しかし雇用労働部ではなく、公正取引委員会が団体協約に関する調査をしている。労組が団体交渉を結んだのに、なぜ公取委が調査をするのか。これがムン・ジェイン政府の素顔ではないか」と糾弾した。
また「1年に5~600人ずつ死んでいくという建設現場で、特殊雇用労働者、建設機械労働者の産災事故は、その数にも含まれていない。」「自分たちが特殊雇用労働者だとしておいて、現在は事故の数にさえキチンと含ませていない現実を変えなければならない」と強調した。同時に「20日のゼネストは建設労組が率先して闘う他ない」と声を強めた。
2021年10月19日 民衆の声 チェ・ジヒョン記者