弾丸配送の日常化で・・・・宅配・倉庫業の産災・疾病が20%急増 2021年10月08日 韓国の労災・安全衛生

明け方に配送をしているクパン・マン/キム・ミョンジン記者

コロナ19による非対面取り引きの活性化で、流通・物流産業の拡大傾向が明確な中、この業種の業務上疾病と事故性の負傷・死亡が例年に比べて大幅に増えたことが分かった。

雇用労働部の資料を見ると、韓国標準産業分類による流通・物流業に該当する諸業種(倉庫業・宅配業など)で、産業災害を認められた業務上疾病の件数が、2019年は1274人、昨年は1369人で、今年は6月までに846人となった。今年の下半期も同じレベルなら、昨年に比べて20%以上増えることになる。事故性の負傷と死亡も増える傾向だ。2019年の8665人から昨年の9091人、今年の6月までは5814人と集計された。雇用労働部が流通・物流業の業務上疾病の統計だけを別に発表するのは、今回が初めてだ。

最近の流通・物流業の傾向は、明け方配送・当日配送などによって、長時間・夜間労働は勿論、スピード配送のための圧迫感が強まっている。また重い荷物を車に何度も上下車して運ばなければならないので、労働強度も激しい。このため、疾病による死亡の原因は、心臓疾患が47.7%で最も多く、脳血管疾患(34.3%)、精神疾患(7.0%)の順になった。過労が深刻な影響を及ぼしているわけだ。業務上疾病全体に広げて見ると、事故性腰痛(36.8%)、筋骨格系疾患(30.3%)、非事故性・作業関連性の腰痛(18.4%)の順で、重量物の取り扱いによる疾病が多いと見られる。

雇用労働部のアン・ギョンドク長官(中)が8日の流通物流業リーダー懇談会で、主要な企業代表らと記念撮影をしている。/聯合ニュース

このような内容は、この日プレジデントホテルで行われたイーマート、ホームプラス、ロッテマート、クパン、コリ・SSGドットコムなどの流通会社と、CJ大韓通運、韓進、ロッテ、ロジェン宅配などの宅配会社の最高経営者、アン・ギョンドク労働部長官との懇談会の席で公開された。

アン長官は懇談会の挨拶で「宅配会社は社会的合意による作業時間を守って下さり、流通・物流会社には配送人材が長時間の作業をしないように、作業時間の管理などの改善の努力を要請する」とした。続いて「従事者の健康診断の結果によって保健管理者が管理できるように、健康管理にも関心を傾けて欲しい」と話した。

2021年10月8日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1014477.html