青年労働者の相次ぐ死に「10・20は青年雇用ゼネストに」 2021年10月10日 韓国の労災・安全衛生

民主労総事務室で、ユン・テックン委員長職務代行と青年組合員が『青年雇用ゼネスト宣言記者会見』をしている。/イ・ジュンホン記者

青年労働者が仕事中に死亡する事故が次々と発生する中、民主労総が20日のゼネストを、青年労働者が主体になって、青年に安全で、良質の雇用の保障を要求する闘いとして進めると明らかにした。

民主労総は10日に記者会見を行い、「安全な青年の職場、良質の青年雇用の問題を、先頭に立って解決することを決議する。」「10月20日のゼネストを『青年雇用ゼネスト』と命名して、青年が闘いの主体として参加する」と話した。

2016年にソウル地下鉄九宜駅でスクリーンドアを修理していて死亡したキム・某君、2018年に泰安火力発電所でベルトコンベヤーの作業中に亡くなったキム・ヨンギュンさんだけでなく、今年に入って、4月に平澤港でのコンテナ事故で亡くなったイ・ソノさん、先月には仁川の松島アパートの外壁清掃中に亡くなった20代の青年など、青年労働者の死が続いている。6日には麗水のヨット舟付場で現場実習をしていた17才の青年が亡くなった。民主労総は「多くの青年労働者の死が、青年労働者の境遇を語っている。」「民主労総の20、30代の青年組合員は、このような青年の現実を見ているばかりではない」と話した。

この日の記者会見には、金属労組、建設労組、全国特性化高校労組など、様々な分野の青年労働者が参加して労働実態を話した。韓国GMの構内二次下請け業者で働く金属労組韓国GM富平非正規職支会のキム・テフン組合員は「週末の特別勤務に、夜間残業までこなし、一ヶ月に4日休むという暮らしに耐えてきた。」「残業特別勤務をする理由は、雇い主の見る目もあるが、定年まで保証されていない不安定な労働に縛られているため」と話した。

全国特性化高校労組のチェ・ソヒョン委員長は、「麗水で現場実習をしていて亡くなった特性化高校の生徒は、潜水関連の資格もなく、(該当作業は)二人一組を守らなければならない高難度の作業なのに、現場の指導教師もいなかった。」「彼の死は事故ではなく、予想された死だ」と言った。続いて「私たちは死なずに働ける雇用、良質の雇用を望んでいる」とし、「重大災害処罰法を(青年たちが多く働く) 5人未満の事業場にも適用すべきだ」と話した。

公共の領域での雇用をもっと増やして、青年に良質の雇用を提供すべきだという主張も出た。京畿道医療院の議政府病院で臨床病理師として働く保健医療労組のパク・ジヘ組合員は「多く押し寄せる(コロナ19)検査件数に、装備と人員はまったく足らず、看護人材、診療人材も不足している。」「公共医療の強化と拡充によって、良質の青年の雇用を増やさなければならない」と話した。

民主労総は「これまで全国労働者大会は何度もしてきたが、民主労総の20・30世代の青年労働者が主体になる闘いは(今回の10・20ゼネストが)初めて」とし、「(これからは)青年労働者の要求を集めて『民主労総青年労働者大統領選挙要求案』を作って大統領候補に要求し、実現するために闘っていく」とした。

一方、ソウル市は、感染病予防法によって、民主労総が20日にソウル市内で申告した集会すべてに対し、集会禁止通知の公文書を送ってきた。ソウル市の関係者は「防疫の手法は未だ出ていないが、民主労総は対外的に何万人単位の大規模集会をすると公表している。これは防疫上の危険が余りにも大きく、禁止通知を行った」と話した。これに対して民主労総の関係者は、「集会禁止処分の執行停止を申請する計画はない。」「既に憲法裁判所に、地方自治体の集会禁止告示が憲法上の基本権を侵害するという憲法訴訟を出しているので、その結果を待っている」と話した。

2021年10月10日 京郷新聞 カン・ハンドゥル記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202110101601001