『重複規制の可能性・課徴金の賦課基準』で建設業界-労働界が激突 2021年9月29日 韓国の労災・安全衛生
建設現場で工事参加者に権限に相応しい安全管理責任を付与する建設安全特別法を制定するための公聴会が開かれた。建設労働者は産災事故を予防するために、建設安全特別法を制定せよと要求した。
国会・国土交通委員会は28日、『建設安全特別法制定のための公聴会』を行った。ソン・イクチャン弁護士と韓国建設安全学会のアン・ホンソプ会長が賛成の陳述人として参加した。反対の陳述人としては、大韓建設協会のイ・ジェシク産業本部長職務代理と大韓建設政策研究院のイ・ジョングヮン選任研究委員が参加した。
公聴会で反対の陳述人は、「産業安全保健法」と「重大災害処罰などに関する法律」(重大災害処罰法)だけでも十分に規制が可能だと主張した。イ・ジェシク職務代理は、「建設安全特別法は、産業安全保健法・重大災害処罰法と相当部分で重複する。」「同じ事故に対して重複・加重処罰の問題が生じる」と強調した。イ・ジョングヮン選任研究委員は、「来年1月に重大災害処罰法が施行されるのに、また別の法令を制定して重複して規制すれば、企業に負担になる」と主張した。
これに対してソン・イクチャン弁護士は「産業安全保健法と重大災害処罰法では、光州の再開発現場の惨事のように、市民を保護できないこともある」とし、「建設安全特別法は、被害者の身分を分けずに規制し、処罰できる」と反論した。アン・ホンソプ会長は「重大災害処罰法も、発注者を始めとする工事参加者の役割に相応しい責任を合理的に規律するには、根本的に限界がある」とし、「建設安全特別法は既存の法の死角地帯を効果的に解消する」と主張した。
共に民主党のキム・ギョフン議員は、6月に建設安全特別法の制定案を再発議し、死亡事故発生時の課徴金の賦課基準を法人売上額の最大5%に、関連業種・分野別の売上額の最大3%に緩和した。イ・ジェシク職務代理は「建設業者はただ一度のミスで死亡事故が発生した場合に、回復できない制裁を受けることがある。」「課徴金の賦課基準を工事請負額の1%の水準に修正すべきだ」と要求した。イ・ジョングヮン選任研究委員は「中小業者の営業利益率が3~4%に過ぎないことを勘案すれば、課徴金の賦課基準が高すぎる」と強調した。
ソン・イクチャン弁護士は「人命事故は金では解決できない重大な事案なのに、課徴金の賦課基準を緩和するほどの合理的な理由はない」とし、「昨年9月の最初の発議案のまま、法人売上額の5%を課徴金の上限線とすべきだ」と主張した。キム・ギョフン議員は、「課徴金の賦課基準を緩和すれば、事故予防対策としては不足だ」とし、「既に課徴金の賦課基準を低減したが、更に下げれば法を作る意味がなくなる」と主張した。
建設産業連盟はこの日国会前で記者会見を行い、建設現場から産災を構造的に根絶するために、建設安全特別法を直ちに制定すべきだと主張した。雇用労働部によれば、2016年から昨年までの5年間で、建設労働者2376人が産災事故で死亡した。産災事故による全死亡者4641人の51%の水準だ。連盟は「建設現場で毎日一人以上が死亡しているのに、産災を予防するための根本的な対策は誰も出していない。」「建設労働者を死から保護するために、法制定が急がれる」と訴えた。
2021年9月29日 毎日労働ニュース シン・フン記者
http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=205157