国会から大統領府まで、建設労組、昨年産災死亡458人の建設労働者の魂の上に 2021年9月29日 韓国の労災・安全衛生
全国建設労働組合(建設労組)が、昨年一年間に産業災害で亡くなった458人の建設労働者を追悼し、建設安全特別法の制定を求めた。
建設労組は29日、雨が降る悪天候にも拘わらず、国会前での一人デモの形態で産災死亡建設労働者の合同慰霊祭を行った。この時間中に「これ以上死なないように、建設安全特別法を直ちに制定せよ！」という垂れ幕の掛かったトラックが西江大橋、麻浦大橋、漢江大橋などを行き来して、産災死亡した建設労働者を追悼した。また、全国各地から上京した建設労働者が、国会から大統領府までの道路のあちこちで「2020年○月○○日、○○歳の建設労働者」と書かれた遺影のピケをそれぞれが持って故人を追悼した。
これはユーチューブ・チャネル『民主労総全国建設労働組合』で生中継された。
29日に上京した建設労働者が、国会から大統領府までのあちこちで、一人デモの形態で産災死亡建設労働者458人を追悼した。／建設労組ユーチューブ・チャンネル
合同慰霊祭で建設労組のカン・ハンス労働安全保健委員長は、「昨年1月1日に一人の建設労働者が死亡したのを始まりに、2020年の一年間で、日曜日だけで30人の建設労働者が亡くなった。そしてハン・エクスプレスの建設現場で38人の建設労働者が産災惨事で亡くなり、秋夕当日を始めとする秋夕の連休だけで二人の建設労働者が亡くなった。5月1日のメーデーには二人の建設労働者が、5月8日の父母の日には66才の建設労働者が亡くなる残念なことがあった。」「これらを始めとして、458人の建設労働者の御霊を慰労する」と話した。
続いて建設安全特別法の制定を求めた。
建設安全特別法は、発注・設計から竣工に至るまでの各段階・主体別に、義務と責任を明確にし、安全管理義務を疎かにしないようにする法案だ。また、このために適正な工事期間・費用を反映して発注・設計するようにし、根本的な産災死亡事故の原因を解消しようとする法案だ。最低価格落札などで、拙速工事にならないようにしている。
この法案は昨年9月に発議された。しかし、この1年間、業界の激しい反対などで国会に係留され、28日には特別法制定のための初めての公聴会が開かれた。困難な中で行われた公聴会でも、業界は反対の立場を表明した。
カン労安委員長は「他の産業と構造が違う建設産業の特性を反映して、これ以上建設労働者が死なない建設現場を作るために準備したのが建設安全特別法」とし、「現在議論されている建設安全特別法は反対する法案ではなく、一層強化すべき法案」と話した。
458人の建設労働者の御霊を慰労する追悼の行事と、建設労組のイ・ヨンチョル委員長の追悼の言葉が続いた。委員長は「産業災害の根本的な原因である多段階下請け、最低価格での工事施行などの構造を、建設安全特別法の制定によって変えよう」と話した。
雇用労働部の産災死亡統計によれば、昨年458人の労働者が建設現場で産災死亡事故に遭った。この内の半分は墜落災害だった。
建設労組が17日から24日までに、8368人の建設労働者にアンケート調査をした結果、質問に参加した建設労働者の中で「最近の3年間で4日以上仕事ができない程の産災事故を目撃したことがある」と答えた労働者は37.2%だった。また、これらの事故の30.5%は産災として処理されなかったと答えた。
頻繁な産災事故の原因として、建設労働者は不法多段階下請け(57.6%)、最低価格落札制(50.2%)を挙げた。「速く」の速度戦(40.9%)も、やはり建設労働者が感じる事故の主な原因だった。
質問に参加した建設労働者の83%は、発注者の適正工期の設定、建設機械事故への元請けの責任強化といった内容を含む建設安全特別法の制定が必要だと答えた。
2021年9月29日 民衆の声 イ・スンフン記者
