裁判所「肺機能検査の基準に達しなくても塵肺症を認定」 2021年9月27日 韓国の労災・安全衛生

ソウル行政法院庁舎全景/ホン・ジュンピョ記者

石炭を採掘した労働者が、肺機能の再検査を受けることができない状態で死亡し、『肺機能検査指針』を充足できなくても、既存の検査結果は信頼できるという判決が出た。裁判所は肺機能の検査結果のうち、適合性基準を充足する検査回数が3回未満でも、心臓と肺機能を判定するのに無理はないとした。

ソウル行政法院は、死亡した採炭夫Aさん(死亡当時83才)の妻が勤労福祉公団に出した障害等級決定処分取り消し訴訟で、原告勝訴と判決した。Aさんは1974年から約12年9ヶ月間、鉱業所の採炭夫として働いた。粉塵などを吸ったAさんは、1982年に塵肺と診断された後、2009年には塵肺障害11級の決定を受けた。その後、2018年7月に塵肺症が悪化すると直ぐ、公団に塵肺療養給付を申請し、二ヶ月後に診断機関に指定された病院で肺機能検査を受けて『塵肺病型4型』と診断された。

Aさんは塵肺障害等級を3級に決めて欲しいと要求したが、公団は検査結果の信頼度が足りないとして再検査を受けるようにしたが、Aさんは再検査を受ける前日の2019年1月に亡くなった。

Aさんの妻は、公団に塵肺障害等級3級を基準とした塵肺補償年金の差額支給を請求した。しかし公団は「Aさんが再検査を受けられなかった状態で死亡して、肺機能レベルの判定が難しい」として7級に決めた。Aさんの妻は、2月に塵肺障害等級を3級に決めてくれという訴訟を起こした。

裁判所は「Aさんに対する検査結果は信頼でき、心臓と肺機能を判定することはできる」として、遺族の手を挙げた。裁判所は「大韓結核および呼吸器学会の『肺機能検査指針』で、適合性を満足する検査を三回以上実施するようにしているのは必ずしも絶対的な基準ではない。」「判読者は、検査結果が基準に多少足りなくても、検査対象者の健康状態などを総合して肺機能を評価できると見るのが妥当だ」と判示した。続けて「Aさんが検査を終えて約4ヶ月後に死亡したとして、一時的に心臓と肺機能が急激に悪化した状態での検査結果に過ぎず、信頼性が低いと断定することはできない」と説明した。

2021年9月27日 毎日労働ニュース ホン・ジュンピョ記者

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