アルゴリズム、労働安全規制を本格化するか 2021年9月27日 韓国の労災・安全衛生

安全保健公団「二輪車配達従事者 運行情報ビッグデータ収集」

安全保健公団が配達プラットホーム労働者の運行ビッグデータを収集している。ソウル・釜山を始めとする5地域の配達労働者、100人余りを4ヶ月間で収集した運行データは『安全配達時間産出システム』に使われる予定だ。アルゴリズム労働安全規制が本格化するか、注目される。

26日、公団はこのような内容の『二輪車リアルタイム管制事業』を始めると明らかにした。二輪車リアルタイム管制事業は、配達従事者の運行ビッグデータを収集・分析して、リアルタイムで安全配達時間を計算するシステムの開発のための基礎データ収集モデル事業だ。

ソウルと京畿・仁川・釜山・光州など、全国5ヶ所の地域配達労働者100人余りが、仕事をしながら、LTE通信モジュールが装着された装備を設置して、リアルタイムに配達運行情報を収集することになる。この装備はGPS信号と加速度・ジャイロセンサー(回転物体の位置測定と方向設定に利用される技術角速度測定機構)などを利用して、配達のスピードと直進・回転時のスピードといった二輪車の危険な動きを捕らえる。収集されたデータは、運行情報とリアルタイムの交通量、天気(温度・降雨量・積雪量)などを総合して、漢陽大の交通物流工学課と一緒に分析する。

公団はこのようなデータを使って、事故の危険区域・多発区域を設定するなど、リアルタイムな安全配達時間を計算して経路を探す『安全配達時間産出システム』を開発する予定だ。今年の下半期誰からでも使用可能な公開プログラムとして作るという方針だ。

この事業が注目される理由は、AIアルゴリズムに対する労働安全次元での規制が現実化することもあるからだ。ライダーユニオンが6月に「配達の民族」「ここです」「クパンイーツプラットホーム」の3社のAIアルゴリズムを検証した結果を見ると、これらの会社のAI配車システムによって食べ物を配達すると、走行距離が永くなって収入が減り、配達労働者のスピード競争がもっと激しくなることが明らかになった。また、建物や山といった各種の障害物を考慮しないまま直線距離で配達時間を算出したり、配達労働者の位置と関係なく、15分以内に注文された食べ物をピックアップするようにするなど、安全運行を妨害する不公正なアルゴリズムも問題になった。特に、AI配車を受諾しなければ配車を制限したり、プロモーションから除外されるといった不利益を受けることになる。このために、アルゴリズムによる情報を労働者に提供して、労働者の意見を反映するように制度を改善すべきだという声が高かった。

現行法はプラットホーム事業者に、二輪車で物を配達・回収する労働者の労災予防措置を付与しているが、具体的な基準は示していない。公団の関係者は「安全配達時間産出システムが開発されれば、配達時間の産出算式ガイドを配布し、電算開放によって二輪車配達プラットホームのうちの不良アルゴリズムを使うプログラムは、自主的な退出に誘導する予定」とし、「安全運行点数によって産災保険料や民間保険料の引き下げに誘導するなど、多様な支援方案も検討中」と明らかにした。

2021年9月27日 毎日労働ニュース キム・ミヨン記者

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