全国安全センターの厚生労働省交渉(2021.7.20):A.7. アスベストアナライザー、A.8. 労働時間の適正な管理について

※全国安全センターの厚生労働省交渉の全体-「労働安全衛生・労災職業病に関する要望書」の全文はココで確認できます。

A.7. 石綿対策におけるアスベストアナライザーの活用について

【要望事項】

A.7. 地方労働局等に配備したアスベストアナライザーについて以下の事項を明らかにすること。
① どこの局に配備したか。
② 各労働局別、年度別での使用回数
③ アスベストアナライザーを活用したことによる成果
④ 今後の活用計画

【厚生労働省回答(労働基準局安全衛生部化学物質対策課)】

① 令和2年度末までに、北海道局、岩手局、宮城局、福島局、埼玉局、千葉局、東京局、神奈川局、新潟局、岐阜局、愛知局、京都局、大阪局、兵庫局、和歌山局、岡山局、広島局、山口局、香川局、福岡局、熊本局、鹿児島局、沖縄局に配備済みです。
② 直近の2年度分の使用回数について、令和元年度は93回、令和2年度は105回です。
③及び④
アスベストアナライザーは、建材に含まれる一定濃度以上のアスベストを短時間で確認することができる有効なツールであると考えており、解体等工事における事前調査の適切な実施及びその結果に基づくばく露防止対策の徹底を図るため、現在、都道府県労働局への配置を進めています。
具体的には、平成28年度から令和2年度までの間に23労働局に一台ずつ配置したところです。アスベストアナライザーを配置した局では、アスベストアナライザーによる測定結果をもって、事業者を指導した事例があると聞いています。
引き続き、費用対効果も勘案しつつ、今後の配置の推進を含め、石綿ばく露防止対策に係る都道府県労働局等の現場における指導体制の充実を図ってまいります。

【厚生労働省交渉でのやりとり】

全国安全センター・古谷:一点だけ。私たちの仲間が4月に情報開示請求をしていることはご存じかと思います。そのときに出てきた数字と今回いただいた数字が結構違う。実績の数が、去年105回。一昨年93回。4月の開示請求の時点では、それぞれ34件と43件なんですね。これ、なんで倍も違うかわかりますか?

情報公開によって開示された資料

厚生労働省:開示請求されたという事案はうかがっています。すいません、開示請求をどういうかたちでかけられて、どういう数字が開示されているのか、ちょっと私、把握、承知しておらないんです。

全国安全センター・古谷:都道府県別の貸出実績です。

厚生労働省:貸出実績でございますか。考えられることといたしましては、貸出実績として不明とはしているものの、実際には貸し出しているケースがあるとか。想像でしかないんですけれども。

全国安全センター・古谷:具体的に数字が出てるんで。

厚生労働省:1回、1回貸し出し、何て言うんでしょうね。どうしてもアナライザーって1台も高価な機器でございますので。あの、私ども、本省は労働局に配備していますが、実際に使うのは監督署が多うございます。監督署に貸し出して、監督署で1回の貸出で複数の現場を回ったり、1日で何回も回ったりすることというのは決してめずらしくはないことでございます。そういった意味では、貸出件数と、書面で回答させていただいた使用回数というのは、現場数っていうんですかね、同じ1日でも、例えば2件回ったら2としてカウントしている数字でございます。

全国安全センター・古谷:できたらご確認いただいて、教えていただけませんか?

厚生労働省:すいません、貸出件数というベースでこの数字はとったものではないということをご理解ください。

全国安全センター・古谷:それはわかりました。

厚生労働省:貸出件数とは、まったくちょっと違う数字だということだと。

全国安全センター・古谷:こういう使われ方してるっていうことを確認するために行った開示請求ですし、今日回答いただいたのも事実だと思うんで、ただ数字の違いがどう読めばいいのかということで。

厚生労働省:回答はあくまでも使用回数でございます。その測定を行った現場数というんですか、現場指導数でございまして、1日の中で複数回にわたることもございます。1回の場所の中で複数回にわたることがございますということをご理解いただければと思います。

全国安全センター・古谷:ご確認いただけませんかね。

厚生労働省:いや、そういう数字でございます。

全国安全センター・古谷:これとの違いについてご確認。

厚生労働省:貸出件数はそういう、本当に貸出でございます。今回お出しした件数というものは、そういう貸出件数ではなくって、現場数ベースでございまして、1日であれ、複数をやることもございます。1回の貸出で複数やることもございます。

全国安全センター・古谷:開示請求された資料の局数は21なんですよね。今回、23局と回答いただいたんですけど。

厚生労働省:熊本と広島がどうやら抜けておるんでございます。

全国安全センター・古谷:何故なのかわからないんですけども。確認してもらえませんか?

厚生労働省:確認…

A.8. 労働時間の適正な管理について

【要望事項】

A.8.(1) 1か月単位の変形労働時間制度は、労働時間短縮が目的であったにもかかわらず、現状はアルバイト、短時間労働者の労働日数・時間減らしの手段となっている。短時間労働者を同制度の対象とすることを法的に禁止すること。

【厚生労働省回答(労働基準局労働条件政策課)】

1 変形労働時間制度は、繁忙期の労働時間を長くする代わりに、閑散期の労働時間を短くするといったように、業務の繁閑や特殊性に応じて、労使が工夫しながら労働時間の配分などを行うことを可能とするものです。
2 1か月単位の変形労働時間制は、1か月以内の一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が40時間(特例措置対象事業場※は44時間)以下の範囲内で、特定の日および特定の週の法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。
※常時使用する労働者数が10人未満の商業、映画・演劇(映画の制作の事業を除く)、保健衛生業、接客娯楽業
3 対象労働者の範囲について、法令上は制約はありませんが、労使協定や就業規則等において明確に定める必要があります。どのような労働者を対象とするか含め、労使の間で話し合いがなされて制度が適切に活用されるよう、今後とも丁寧に制度の周知をしてまいりたいと考えています。

【厚生労働省交渉でのやりとり】

※おつて追加する予定です。

【要望事項】

A.8.(2) 「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(P.11の6~10行目)に記載されているな「なお、申告された労働時間が実際の労働時間と異なることをこのような事実により…同時労働時間を基に賃金の支払等を行っていれば足りる。」は、使用者の労働時間の客観的把握の義務を免除し、申告分の賃金さえ支払っていれば問題ないという誤解と悪用を招く恐れがある。全文を削除すること。

【厚生労働省回答(労働基準局監督課/雇用環境・均等局在宅労働課)】

1 テレワークガイドラインにも明記されているとおり、自己申告により労働時間を把握する場合であっても、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(以下、適正把握ガイドライン)に基づき、
・労働者に対して労働時間の実態を記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うことや、実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用等について十分説明を行うこと
・労働者からの自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、パソコンの使用状況など客観的な事実と、自己申告された始業・終業時刻との間に著しい乖離があることを
把握した場合には、所要の労働時間を補正すること
等の措置を講ずる必要があります。
2 ご指摘の箇所については、こうした措置を講じた上で、なお使用者が申告された労働時間と実際の労働時間とが乖離していることを認識していない場合、その申告された時間に基づいて、労働時間や賃金について適切に対処すべきことを示したものです。
3 引き続き、テレワークガイドラインの周知・啓発を行うとともに、適正把握ガイドラインに基づいて労働時間管理を行っていないなど、問題のある事業場に対しては、適切に指導を行ってまいります。

【厚生労働省交渉でのやりとり】

※おつて追加する予定です。