就業者の4割が『感情労働』をする 2021年7月8日 韓国の労災・安全衛生

就業者の10人中4人は感情労働業務を行っていると調査された。腹を立てている顧客と応対する時間が、一日の業務中の4分の1以上を占める労働者が600万人を越えた。産業安全保健法に感情労働者保護を規定したが、休憩施設の設置や回復プログラム運営といった保護措置を履行している事業場は10%に過ぎないことが分かった。

韓国労働社会研究所が7日に出した『感情労働制度化の現状と改善課題検討』によれば、2019年の全就業者は2750万人ほどで、この内、卸売と小売業、宿泊と飲食業など、感情労働が行われる業種で働く労働者は1164万人(42.3%)だ。就業者10人の内4人が感情労働が行われる業種で働いているということだ。安全保健公団の2019年勤労環境調査を見ると、腹を立てている顧客と応対する時間が全業務時間の25%以上の労働者は623万人だ。この調査で把握した就業者数(2680万人ほど)対比の比率は23.2%だ。就業者の4人に1人は深刻な感情労働をしていると見ることができる。

2018年の改正産業安全保健法によって、事業主は感情労働者に適切な休息と休憩時間、治療・心理相談、顧客応対業務マニュアルの製作などの措置をしなければならない。研究所が国会を通じて、公共機関別の産業安全保健法の履行比率を受け取って調べたところ、休憩空間の利用(53.4%)、休み時間の利用(49.9%)、専門担当者の配置(49.3%)、健康管理(44.2%)などで履行率が低かった。労組がある民間事業場(保健医療・事務金融・流通)の調査では、案内文の貼付(70.8%)、応対マニュアル指針の提供(70.8%)などの措置をしている事業場が多いと調査された。反面、十分な休憩施設を提供(9.2%)するか、回復プログラム(13.8%)を運用するの比率は非常に低かった。労組がない事業場の保護措置比率はこれより低いと思われる。

研究所は報告書で、感情労働保護措置が拡大・定着するために、公共部門への政府の介入を高め、民間部門の正確な状況を把握するための実態調査が必要だと提案した。キム・ジョンジン専任研究委員は「改正産業安全保健法の施行以後の感情労働保護措置が、現場に根をおろしていないと見られる。」「公共部門への定着のために、政府のガイドライン制定などで管理し、制度運用の効果を高めるための現況把握と実態調査が必要だ」と話した。

2021年7月8日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者

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