中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会が「石綿健康被害救済法の改正等」で厚生労働副大臣に陳情ー2020.07.14
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会は7月14日、小菅千恵子副会長以下5人で稲津久厚生労働副大臣に面会して、以下の内容を陳情した。
- 労災が時効となった遺族の救済を図る「特別遺族給付金」について、2016年3月27日以降に亡くなった労働者の遺族も対象になるよう、石綿健康被害救済法を改正する。
- 時効救済制度の周知。これまで未救済の中皮腫遺族に対して、「死亡小票」「死亡診断書」に基づき周知を行っている。石綿関連肺がんについて、特別遺族給付金は医学資料がなくても、同僚の労災認定をもとに支給しており、その周知も。
- 救済法改正にあたり、過労死等防止対策推進協議会のような石綿健康被害救済推進の機構を創設する。また、患者と家族が生活できる療養手当の増額や遺族年金の創設など、救済給付の改正も。
- 石綿疾病の克服をめざし、治療などの研究の促進。
副大臣からは要旨以下のような話があった(一部のみ紹介)。
「(①について)そうあってはならないということで過去にも2度にわたって議員立法のおりに、いわゆる空白期間について、解消せよという議員立法で提案して成立させてきた。…いま私がここで約束するわけにはいかないが、これまで改正法の議員立法で措置した経緯を踏まえたら、しっかり環境省とも厚生労働省として十分連携して検討していきたいと考えている」。
「制度の周知は非常に大事なことだと思っている。…十分な資料がなくても監督署に調査を行わせて適切に判断していきたいと考えている。そうした内容についても周知内容にしっかり盛り込んでいくことを検討させていただきたい」。
参加者は副大臣の話を前向きにとらえるととともに、非常に意義のある陳情ができたと感じ、今後もこのような機会を積極的に持ち、隙間のない公正な補償を要求していきたいとしている。
安全センター情報2020年12月号