韓国・大法院、安全義務に違反して労働者を死亡させた事業主に「最大懲役10年6ヶ月」の量刑基準 2020年1月12日 韓国の労災・安全衛生
産業現場で、事業主が安全・保健措置義務を守らずに労働者が死亡すれば、最大懲役10年6ヶ月を宣告できる量刑基準が作られた。
特に、類似の事故が繰り返されたり、多数の被害者が発生した場合は、加重処罰をするようにした。
大法院によれば、大法院・量刑委員会(委員長キム・ヨンナン)は、全体会議を行って『過失致死傷・産業安全保健犯罪』の量刑基準修正案などを議決した。今回の修正案は今後、意見照会・公聴会・行政予告などの手順を踏んで、3月に最終議決される予定だ。
量刑委は、安全・保健措置義務違反で死亡事故が発生した場合の基本刑量範囲を、懲役6ヶ月~1年6ヶ月から懲役1年~2年6ヶ月に上向かせた。
特別加重領域の場合、今までの懲役10ヶ月~5年3ヶ月から懲役2年~7年まで、大幅に引き上げられた。多数犯や5年内に再犯を犯した場合、最大懲役10年6ヶ月まで宣告することができる。
量刑委は加重処罰要素として『類似の事故が繰り返し発生した場合』と『多数の被害者が発生した場合』を設定し、事故の反復性と規模を主要な量刑理由に反映した。
従来から批判されてきた『相当金額供託(訳註:刑事事件の被疑者が、被害者への反省や賠償意志を表現する制度)』は減軽要素から除外することにした。
量刑委は量刑基準が適用される犯罪範囲も拡大した。
今までは、事業主の安全保健措置義務違反で死亡事故が発生した場合にだけ量刑基準が設定されていたが、今回の修正案で、請負人の義務違反で死亡事故が発生した場合にまで含まれた。
死亡事故が発生した時、死亡者が現場実習生である場合と、5年内に再犯した場合のいずれにも、量刑基準が設定された。
死亡事故でなくても、懲役刑が宣告された事例がある安全保健措置義務違反犯罪に限った量刑基準も設定された。
量刑委は、自首、内部告発などを特別減軽因子とし、企業犯罪の全貌が明らかになるようにした。
2021年1月12日 民衆の声 カン・ソクヨン記者