労災認定のハードルが高い労働福祉公団、『不承認取消訴訟』で23%敗訴/韓国の労災・安全衛生2026年06月09日

蔚山の労働福祉公団本部の全景。 労働福祉公団提供

労働福祉公団の昨年の産業災害不承認に関する行政訴訟の敗訴率が、過去6年間で最も高いことが判明した。敗訴の原因の半分以上が「法令解釈の違い」であるため、被災労働者や遺族の苦痛に直結する労働福祉公団の狭い労災認定基準を見直すべきだと指摘されている。

8日、ハンギョレが入手した労働福祉公団の『2025年度訴訟状況分析報告書』によると、昨年の労働福祉公団の行政訴訟敗訴率は23%で、5年前の2020年(13.1%)よりも9.9%上昇した。2020年から2023年の4年間、13%台だった労災不承認などの取消訴訟の敗訴率は、2024年には18.7%となり、前年に比べて5.1%上昇し、昨年は更に4.3%上昇した。

行政訴訟の大部分は、労災に遭った労働者やその遺族が提起する労災保険給付に関する事件である。昨年の行政訴訟5332件のうち、96.6%に当たる5149件が、労災保険給付に関する行政訴訟だった。また、訴訟の73.5%にあたる3919件は、肺線維症、脊椎・筋骨格系疾患、脳血管・心臓疾患、騒音性難聴などが労働災害に該当するとされる業務上の疾病に関する訴訟であった。

この数値は、公団と労災申請者との間で意見の相違が頻繁に発生していることを示している。被災労働者やその遺族は、産業災害補償保険法に基づいて、労働福祉公団から労災認定を受ければ、治療費や生活支援などの労災保険給付を受けられるが、公団がこれを認めなかったり障害等級を低く決定した場合、その処分の取消しを求める行政訴訟手続きを採ることになる。

敗訴の原因の半分以上は、法第37条第1項の『相当因果関係』などを判断する『法令解釈の違い』であることが明らかになり、公団が裁判所よりも保守的な基準で労災を判断しているという分析がされている。2020年から2023年にかけて、公団の主な敗訴理由は、裁判所の医学的身体鑑定結果が公団の判断よりも高く採用されるなど、『事実関係と証拠判断の見解の違い』であった。しかし、昨年は『法令解釈に対する見解の違い』による敗訴が50.2%と、半数を超えた。例えば、過労死の場合、公団は「週52時間の業務時間超過」などを根拠に判断するが、裁判所は「十分な業務上のストレスがあったかどうか」などを包括的に考慮して判断するということだ。

資料を分析したクォン・ドンヒ労務士は「公団は労災承認において、裁判所よりも狭い医学的な基準を適用している」と指摘し、「労災審議・助言の過程で、医療専門家に止まらず、法律専門家などに参加範囲を拡大し、関連基準を整備する必要がある」と話した。

行政訴訟の敗訴に関して、公団が一審で敗訴した後に提起する控訴・上告の実効性が大きく低下している点も目に付く。公団の労災不承認決定を取り消し、業務上の災害を認める原審が取り消される割合は、2020年から2023年までは20%台を維持していたが、2024年には11.9%にほぼ半減し、昨年は6%に急落した。上級審でも公団の主張が受け容れられる割合は非常に低いということになる。

これに対し公団は、「医学的な因果関係を中心に業務関連性を判断するのに対し、裁判所は労災保険の社会保障的な性格を考慮し、規範的かつ総合的に判断する傾向がある」とし、「主要な判例と敗訴事例を分析し、労災認定基準と業務処理基準の改善を進めている」と明らかにした。

2026年6月9日 ハンギョレ新聞 パク・ダヘ記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1262552.html