危険業務は二人一組? 「人手が足りない」/韓国の労災・安全衛生2026年06月09日

▲ 資料写真 チョン・ギフン記者

ソウルの延新内駅で感電による労災死亡事故が発生してから二年が経過したが、事故当時に提起された「危険業務の二人一組」の問題は依然として解決されていない。二人一組の原則は強調されているが、実際にはこれを守る人員が不足しているためだ。専門家は、二人一組の体制を法制化する一方で、人員の増強と安全設備の改善を同時に進めるべきだと強調している。

人手不足のため、書類のみで二人一組

延新内駅での労災死亡事故は、2024年6月9日に、ソウル地下鉄3号線延新内駅の電気室で作業していたソウル交通公社所属の労働者が、感電によって死亡した事故である。事故当時、労働者は電気室の高圧ケーブルに表示ステッカーを貼る作業をしていた。

事故の原因として、二人一組での作業が守られていなかった点が指摘された。会社側は、当時三人が作業に投入されており、二人一組よりも安全な状況だったと説明した。しかし、ソウル交通公社労組は、被災者は作業量が多いのため、別の二人一組の勤務班から離れて単独で作業していたと主張している。労組は二人一組の作業が単に同じ空間に二人がいることではないと指摘した。作業者一人と監視者一人がペアを組み、監視者は作業者の危険行動を確認し、感電などの緊急事態が発生した際には、即座に救助を行うか、作業を中断する必要があるということだ。延新内駅の事故現場では、被災者を実質的に監視し、支援する人はいなかったと主張した。

このように二人一組の原則が守られない理由には、人手不足の問題がある。ソウル交通公社労組によると、3号線の北部区間の電気業務を担当する地軸電気管理所の夜勤チームの人数は6名である。一人は状況待機をし、他の二人は指定された待機場所にいる必要がある。計画された作業を二人がしている状況で、別の駅で故障が発生すると、一人で作業をすることになる可能性がある。電気業務を担当するある組合員は「早朝に電気室の作業をしているが、他の場所で故障が発生すると、修理に行く人がいない」と言い、「結局、一人が出動し、それぞれが一人で作業することが頻繁に発生する。現場では二人一組は正しく守られていない」と話した。

危険業務の単独勤務は、労災死亡事故の主要な原因の一つとも指摘されている。5月に国会で開催された『危険業務二人一組義務化法改正討論会』の資料によると、過去10年間の産業災害死亡事故の内、単独作業で死亡した労働者は3884人に上る。事故死の原因が、「人員配置が不適当」と分析された死亡者は739人である。人手不足のため、労災死亡事故が発生しているということだ。

公社は2000人削減計画・・・・二人一組の前提は人員の拡充

このような状況の中、ソウル交通公社は人員削減を進め、労働組合が反発している。公社は2026年までに2212名(定員の13.5%)の人員を削減する方針で、今年は701人を削減する予定だ。公社は新技術の導入や非核心業務の外部委託などによる効率化を主張しているが、労組は現場の安全人員の縮小によって危険作業の負担が増すことを懸念している。また、障害の復旧時間が長くなることで、市民の安全も脅かされると考えている。労組技術本部長は「人員と予算を増やして、実際に二人一組ができるようにしなければならないが、定員を減らせば、現場は一層危険になるしかない。」「障害の復旧も遅れ、市民の安全と利用の便宜にも影響を及ぼさざるを得ないが、ソウル市長と市議会は、経営効率化と1000万人の市民の安全のどちらが優先されるのか、もう一度答えるべきだ」と話した。

設備改善への投資も遅れている。延新内駅での感電による労働災害死亡事故の原因の一つは、必要な停電をせずに作業を行った点にある。完全に停電する場合、複数の機器や施設の電力を遮断しなければならず、事前の協議と承認が必要になる。そのため、完全な停電ではなく、部分的な停電でも安全に作業できる『タイ遮断基盤の二重化』という電気設備の改良が必要だが、進展が遅れている。3月にソウル大学入口駅の電気室で、被災者が延新内駅事故と同じ場所で感電し、指を負傷する事故が発生した。労組の技術本部長は「同じ感電事故が繰り返されている」とし、「死を防ぐための基本的な設備が設置されていないため、労働者を危険に曝している」と指摘した。

専門家たちは二人一組の法制化と同時に、人材の拡充が必要だと強調している。ハン・インイム政策研究所理事長は「産業安全衛生基準に関する規則(安全衛生規則)などで監視者を配置する業務を規定するなど、法律や制度が一部整っているが、人材が足りないために守られていない」とし、「安全人材の確保が優先されるべきだ」と話した。

2026年6月9日 毎日労働ニュース オム・ジェヒ記者

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