作業中止権、労災が発生する『切迫した危険』という表現を存置しそう/韓国の労災・安全衛生2026年02月05日

▲ イ・ジェ記者

雇用労働部は、労働者の作業中止権の強化を目的とした産業安全衛生法改正において、作業中止の要件を「産業災害が発生する『差し迫った危険』」という従来の表現に限定することを決定したことが確認された。その代わりに『憂慮される場合』を加えて判断の裁量を拡大するという考えだ。『急迫だ』という表現は、労働者の作業中止権の行使を抑制する要因として指摘され、削除の必要性が提起されてきた。労働界は産業安全を強調した李在明政府が、実質的な作業中止権の強化には消極的だと批判した。

「差し迫っているのか」と問い詰め、8年間の争訟を口実に

4日、<毎日労働ニュース>の取材を総合すると、労働部は5日、国会の気候エネルギー環境労働委員会の雇用労働法案審査小委員会の会議を前に、気候労働委員会の議員に検討意見を説明した。

争点は作業中止権の行使要件である。現行の産業安全衛生法は、事業主や労働者の作業中止要件を「産業災害が発生する緊急の危険がある場合」と定めている。緊急の危険に対する解釈の可否で、2010年と2011年に、作業中止権を行使した労働者が業務妨害などで告発された事例があり、2016年には、近くの事業所での化学物質漏洩によって作業中止権を行使し、8年間も訴訟を続けた前例もある。

このような事情から、国会の気候労働委員会に保留中の産業安全衛生法改正案の一部は、緊急の危険という表現を削除したり、作業中止権の行使要件を拡大する内容が含まれている。共に民主党のキム・テソン議員が昨年9月に提出した改正案は、作業中止権の行使要件を「労災が発生する危険がある場合」に修正した。進歩党のチョン・ヘギョン議員は、緊急の危険は維持したが、更に、△作業前の安全措置、保健措置が不十分であったり、有害・危険要因の曝露によって生命と安全に懸念がある場合、△猛暑作業、豪雨、豪雪、寒冷、強風、微細粉塵などの悪天候によって、生命と安全に懸念がある場合、△業務に関連して顧客など第三者の暴言、暴行などによって労働者の健康障害が発生したり、発生する虞がある場合に拡大した。

一方、政府の検討意見は『緊急の危険』という表現を維持したことが確認された。また、作業中止要請権は、労働者と労働者代表、そして名誉産業安全監督官に与えられたが、これに対する使用者の受諾義務は明示的ではないと伝えられている。

チョン・ヘギョン議員室の関係者は「政府の検討意見は、従来言われていたものよりも表現的に後退した点が確認される」と伝えた。

労働部「労働者の判断裁量を認める」

民主労総は当日、民主労総教育館で記者会見を行い、「労働者が作業中止を要請した時には、直ちに受け容れられるべきだ」「労働者の要請に対して、事業主に履行義務が課されない、あるいは様々な不利益の懸念から、労働者が作業中止の要請に困難を抱える場合、実質的な効力はない」と主張した。

労働部は作業中止権の行使要件を拡大したという考えだ。『緊急』という表現は維持したが、「緊急の危険がある、または懸念される」場合として、労働者の判断・裁量を認めたということだ。労働部の関係者は「要件を緩和して、作業中止権を実質化しようという要請に同意する」「但し、最高裁の作業中止権の判断結果によって、切迫した脅威に対する解釈が拡大され、国際労働機関(ILO)も切迫しているという表現を使っている点を考慮し、作業中止に関する問題を政府が上手く指導できると考えている」と説明した。

2026年2月5日 毎日労働ニュース イ・ジェ記者

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