労働者の作業停止権の実効性は強化されるのか?・・・国会、法改正に最終議論/韓国の労災・安全衛生2026年02月04日

李在明政権が国政課題として推進している労働者の作業停止権強化などのための国会の関連法改正の議論が、最終段階に入った。『政府案』について労働界から『実効性が低い』という批判が出ている中で、国会がこれらの批判をどこまで受け容れるのかに関心が集まっている。
4日、国会の気候環境エネルギー労働委員会に提出された、労働者の作業中止権に関する産業安全衛生法改正案は、全部で6件である。雇用労働部長官に作業停止命令権と是正措置要求権を付与する内容の産安法改正案も、4件提出されている。気候労働委員会は5日に法案審査小委員会を開き、異なる提案内容を、それぞれ一つの法案にまとめる予定だ。
以前に政府は、労働者の安全を確保し、産業災害を削減するため、産安法で規定された労働者の作業停止権を強化し、労働部長官に作業停止命令権などを付与する方策を、国政課題として推進すると明らかにした。このような背景の中で、「共に民主党」のパク・ジョン議員(作業中止権)とキム・ジュヨン議員(作業中止命令権など)が、労働部との連携を経て、改正案をそれぞれ提出した。
パク・ジョン議員案は先ず、労働者と労働者代表、名誉産業安全監督官に対し、産業災害発生のリスクがある、または懸念される場合に、事業主に作業を中止し、労働者を避難させるなど、必要な措置を講じるよう求める権利を新たに付与する。通常、過半数の労働組合代表が務める労働者代表や、組合の常任代表が務める名誉産業安全監督官に、事業主に直接作業停止を要請する権限を付与することで、事業主の責任を強化したものである。このような要請に応じない事業主は、現行法の構造に従えば、5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金に処される可能性がある。
労働者が自ら判断し、産業災害発生のリスクがある場合に作業を中止し、避難できる権利(作業中止権)の要件も緩和した。従来は「労災が発生する緊急の危険がある場合」に限定されていたが、「緊急の危険がある、または懸念される場合」に拡大されたのである。作業停止権を行使した労働者に不利益な処分を行った場合、事業主に対して、3年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金を科すことができる罰則規定も新たに設けた。また、事業主に対する刑事罰規定とは別に、不利益な待遇を受けた労働者が、労働委員会に救済申請を行えるようにした。
労働界は、このような改正案の内容だけでは、現場での作業中止権が実際に機能しないと指摘している。民主労総はこの日記者会見を行い、次のような立場を明らかにした。先ず、『切迫した危険』に関する定義を巡って、解釈上の争いが生じる可能性があるため、作業中止権の使用要件を『懸念される場合』に拡げたとしても、事業主の損害賠償訴訟の提起を懸念する労働者が、作業中止権を自由に行使することは依然として難しい、というのが民主労総の懸念である。このため、現場での運用可能性を高めるには、『緊急の危険』という制限的な条件自体を、廃止または修正する形での改正が必要だと考える。チョン・ヘギョン進歩党議員とイ・ヨンウ民主党議員などが、このような要件緩和の必要性に同意しているため、5日の法案審査小委員会でも、要件緩和の範囲が争点になる見込みだ。
労働部長官に作業中止命令権と是正措置要求権を付与したキム・ジュヨン議員の案は、作業中止命令権の要件を拡大し、是正措置要求権の実効性を高めることが核心である。今までは、死亡事故など重大災害が発生した場合に、事後的にしか出せなかった作業停止命令権を、事故で負傷者や意識不明者、生死不明の被災者が発生した場合に拡げた。また、「重大災害が発生する緊急の危険がある、または懸念される場合」には、是正措置が完了するまで、労働者を作業に投入できないようにした。これに違反した場合、3年以下の懲役または3千万円以下の罰金が科せられる旨の罰則規定も含まれている。
労働界はキム・ジュヨン議員案に対して、大きく二つの補完を求めている。先ず、作業停止命令権の要件を規定する際に『事故』という言葉を使うと、化学物質の漏出による中毒などは職業病の急性中毒として分類され、除外される可能性があると指摘している。また、作業中止命令を出すことができる作業も、事故が発生した作業と『同一』の作業に制限すると、その範囲を巡って現場で解釈上の争いが起こる可能性があるため、『類似同種作業』に変更すべきだと主張している。
2026年2月4日 ハンギョレ新聞 ナム・ジヒョン記者


