死者25人で遺族給付申請は5件、蓋をしたのか・・・労働部、クパンに対する全数調査/韓国の労災・安全衛生2026年01月05日

クパンで働いて亡くなったチャン・ドクジュンさんの母親パク・ミスク氏が先月23日、ソウル西大門区警察庁前で行われた宅配労働者過労死対策委員会のクパンのキム・ボムソク議長告発記者会見に参加し、徹底した捜査を求めている。委員会はクパンJ&Cのキム・ボムソク理事会議長を、労災隠蔽疑惑などで警察に告発した。 キム・ヨンウォン記者

雇用労働部がクパンと子会社の労災隠蔽の有無を捜査するための専門担当チームを構成し、本格的に捜査に着手した。全数調査レベルの死亡・事故・疾病の調査で。組織的な労災隠蔽があったかを糾明する方針だ。

労働部の説明によれば、労働部はソウル地方雇用労働庁とソウル東部支庁・ソウル南部支庁の勤労監督官で専門担当チームを構成し、クパンとクパンフルフィルメントサービス(CFS)、クパンロジスティクスサービス(CLS)の労災隠蔽疑惑について捜査を行うことにした。先立って、クパンの元CPO(個人情報保護最高責任者)のA氏が、クパンの内部文書を公開し、クパンアイエヌシー(Inc.)のキム・ボムソク議長が、物流センターの労働者の故チャン・ドクジュンさんの過労死疑惑を縮小しろと指示した事実が明らかになった経緯がある。以後、全国宅配労働組合は、キム議長などを産業安全保健法違反などの疑惑で労働部と警察に告発した。

労働部はチャン・ドクジュンさんの事例だけでなく、クパンのすべての系列会社に労災隠蔽があったかについて全数調査する方針だ。勤労福祉公団の療養・遺族給与申請・承認内訳と、労働部に提出された災害調査票・重大災害発生申告などを交差検証し、報告されていない労災があるかを確認するということだ。労働部は、国民健康保険公団の給与内訳と消防庁の119申告内訳も同時に対照することにした。

これはクパンとCFS、CLSの労働者の死亡に較べて、遺族給付の申請が少ない理由を確認するためだ。3社で2022年1月に重大災害処罰などに関する法律が施行された以降、労働部が確認した労働者の死亡は25件だが、遺族給付の申請件数は5件に止まる。CLSの宅配運転手たちはCLSではない営業店が労災保険に加入するので、除外するとしても、労働者全員を「直接雇用」するCFSは、昨年10月までの死亡6件の内、遺族給与申請は3件だ。

労災申請の可否は労働者・遺族の選択に懸かっている。だが、事業主が労災発生責任を減らすために、労災申請の放棄を条件に、労働者・遺族と合意すれば、産安法が禁止する『労災隠蔽』に該当することになる。 かつて労働者23人が火災惨事で亡くなったアリセルでは、2022年に派遣労働者が指を切る負傷を負ったとき、「労災申請がされれば、労働部の監督と不法派遣の点検が後続するおそれがある」という理由で、アリセルと派遣業者が『公傷処理』することで労働者と合意した。該当合意書には、被災労働者に合意金を支給する代わりに、「民・刑事上の一切の異議提起をせず、労災補償請求権の一切を会社に委任する」という内容が書かれていた。アリセルと派遣業者は労働部に、災害調査票を出さなかった。検察はこれを『労災隠蔽』と見て起訴し、裁判所もやはり、昨年9月にアリセルの安全管理者と派遣業者の代表に有罪を宣告した。

結局、クパンが被災労働者、または遺族と合意しながら「労災申請をしない」ことを条件に懸けたのか確認することが、捜査の核心になると見られる。CLSは2023年に配送センター(キャンプ)で仕事中に負傷した労働者に、治療費を支給する代わりに「民・刑事・行政上の訴訟、告訴、関連機関に対する異議提起とその他一切の法律上のすべての異議提起をせず、確認書の関連内容をメディア・SNS等、外部に漏洩したり公開しない」という内容の確認書を要求した事実が明らかになりもした。該当の確認書には「確認書の内容に違反したり、本件事故が業務上災害ではないことが明白な場合、金員(合意金)を会社に直ちに返還することにする」という内容も記されていた。

金栄訓労働部長官はこの日記者たちと会い、先月の国会聴聞会でのクパンの態度に関する質問を受け、「労災にきちんと対応できずに隠蔽したため、大量の個人情報流出も発生したと見る。」「小さな事故が発生した時に、原因を診断し、処方し、予防しなければ、大きな事故を防ぐことはできないが、クパンは小さな事故が起きればこれを隠してきたし、結局、人に対する態度の問題」と批判した。

2025年1月5日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1238114.html