新たなアスベストガイドラインと職業病リストの更新により労働者の保護を強化/European Commission, Press Release, 2025.12.18
欧州委員会は、危険な発がん性物質であるアスベストから労働者をより効果的に保護するための新たな措置を採択した。
これらの措置には、以下が含まれる。
- 訓練や管理措置に関する実践的な助言を含め、加盟国がEU規則を遵守し、労働者のアスベスト曝露を大幅に低減するための支援するためのガイドライン
- 労働者の健康を保護するっともに、労働関連曝露に対する補償受給権を促進するための、複数の種類のがんを含め、より多くの職業病を列挙した改訂版委員会勧告
これらの新たな措置は、職業曝露限界の引き下げ及び労働者のリスクを低減するためのその他の措置が設定した、2023年の改正された労働におけるアスベスト指令に追加されるものである。加盟国は、2025年12月21日までに、同指令を国内法に組み込まなければならない。これらの取り組みは、欧州におけるアスベストのない未来に向けたEUの包括的アプローチの実現に向けたものであり、 人々の健康と環境を支えるものである。
アスベスト曝露低減のための実践的アドバイス
欧州委員会は、加盟国、使用者、及び労働者が改正指令を実施するのを支援するため、ガイドラインを公表した。このガイドラインは、労働組合、使用者団体、企業、各国当局、及び安全衛生専門家からの意見を踏まえて作成された。建設、改修、保守などの部門におけるアスベスト関連リスクを管理するための明確かつ実践的な情報を提供する。また、使用者と労働者が、曝露を低減するとともに、がんを予防するのを助けるために、加盟国からの実例や事例研究を活用している。
アスベスト関連疾患に対する労災補償の促進
EUにおける職業がんの約75%がアスベストに関連している。最新の医学的及び科学的知見に基づき、欧州委員会は、職業病に関する委員会勧告を更新した。この更新により、加盟国全体でこれらの疾患の一貫した認定が促進され、影響を受けた労働者への必要な支援と補償が推進されるだろう。
労働におけるアスベスト曝露によって引き起こされる可能性のある以下の疾患が別表(付属書I)に追加された:喉頭がん、卵巣がん、肺機能障害を伴う胸膜プラーク、及び非悪性胸水。欧州委員会は加盟国に対して、これらを国の労災補償制度に組み入れるよう求める。
さらに、委員会は加盟国に対して、(附属書Ⅱに追加された)大腸がん、直腸がんまたは胃がんと診断された労働者が、労働におけるアスベスト曝露との関連性が証明された場合に補償を受けられるようにする措置を講じるよう促す。
加盟国はまた、この分野における予防、診断、研究及びデータ収集の改善を奨励される。
背景
アスベスト曝露は、依然としてEUにおける職業がんの主要な原因のひとつである。この物質は、とくに改修やリサイクル作業において、例えば建物の断熱性能向上や古い建物からの資材リサイクル時などに、多くの労働者に影響を与え続けている。労働者を発がん物質から保護することは、欧州のがん撲滅計画及び2021~2027年EU労働安全衛生戦略的枠組みの主要な目標である。
※https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_3118
安全センター情報2026年3月号


