政府が共にした初の梨泰院惨事追悼式…・・・大統領も「背を向けない」と固く約束/韓国の労災・安全衛生2025年10月29日

10月29日10時29分。ソウル全域での追悼サイレンの音と共に、梨泰院惨事三周忌記憶式が始まった。今回の追悼式は、惨事後初めて、遺族と市民社会、政府が共同で主催した追悼式だ。
10・29梨泰院惨事遺族協議会と市民対策会議、行政安全部、ソウル市は、この日、光化門の北広場で『星と共に、真実と正義へ』をテーマに三周忌記憶式を開催した。記憶式には政府の公式招請で、訪韓中だった外国人犠牲者の遺族46人を始め、国内・外の遺族300人余りと、別の災難惨事の被害者、政府と国会関係者と市民が共にした。紫色に染まった光化門広場には、涙が止まらなかった。
慶州で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の日程で記憶式に直接参加できなかった李在明大統領は、映像での追悼の辞で遺族を慰め、国が責任を負うと約束した。
大統領は「その日、国家はなかった。守らなければならなかった生命を守ることができず、防ぐことができた犠牲を防ぐことができなかった。事前準備も、事後対応も、責任を負う人もいなかった。」「どんな言葉も慰めにならないことはよく知っているが、国民の生命と安全に責任を負う大統領として、あえて惨事遺族と国民に、もう一度深い謝罪の言葉を申し上げる」と話した。
大統領は「これからは国家が責任を負う」とし、「不十分だった対応、無責任な回避、十分でなかった謝罪と慰労まで、このすべてを振り返り、一つ一つ正していく。二度と国家の放任と不在によって、無念な犠牲が発生しないようにする」と誓った。
大統領は「切ない懐かしさと、計り知れない苦痛を背負って生きていく遺族に、国家が再び背を向けることは決してないだろう。」「真実を最後まで明らかにし、国民の生命が尊重される国、皆が安全な国を必ず作る」と強調した。


この3年間、真相究明と責任者処罰を叫びながら街頭で闘ってきた遺族たちは、新政府に向かって安全な社会を作って欲しいと訴えた。故イ・ジェヒョン君の母親のソン・ヘジン遺族協議会運営委員長は「この三年間、私たちは国家からそっぽを向かれた。そのために今日、政府が一緒にしたことは意味のある変化」とし、「しかしこれは出発点だ。今日の約束は明日の行動で証明されなければならない」と話した。
ソン・ヘジン委員長は「これからは変わらなければならない。政府に向かって申し上げる。」「何も、国民の生命と安全より先に立つことはできない。国民の生命と安全は絶対に交渉できず、妥協できず、放棄できず、逃してはならない、国家の最も基本的で中枢的な責務」と強調した。
ソン・ヘジン委員長は「生命と安全を最優先すること、これが国家運営の最初の原則にならなければならない。」「今回の政府では、どうか変わることを願う。真相を徹底的に究明し、より安全な明日を開く、意味ある転換点を作って欲しい。国家機関と公職者が、国民の生命と安全を最優先にする行政を展開して欲しい」と話した。
これまで梨泰院惨事の公的な追慕式は政府ではなく国会が行ってきた。今回の記憶式に参加したウ・ウォンシク国会議長は『今は真実の時間』とし、真相究明のための遺族たちの切実な願いを、国会が後押しすると約束した。
ウ・ウォンシク議長は「特調委が独立性と権限を全て守りながら、使命を全うできるよう後押しする。そして、一つも隠さず真相を明らかにし、少しも残さず相応の責任を負うように、国会が最後まで共にする。」「国会は、国民の生命を守ることが国家の最も大きな責務だという国民的合意を、必ず立法で完成させる。これまで先送りされてきた生命安全基本法も、必ず通過させる。犠牲者と遺族に対する侮辱と嫌悪がこれ以上定着しないよう、対策強化に力を注ぐ」と明らかにした、
記憶式は、真実と正義を見出す道を共にするという遺族と市民の誓いで終わった。参加者は159人の市民を忘れずに、惨事の真相が明らかになるまで一緒に見守るつもりであり、嫌悪と暴力に断固として対抗すると約束した。また、生命と尊厳が守られる社会になるよう努力し、責任者が適当な責任を負って、正義を正すことにも共にすることにした。
2025年10月29日 民衆の声 ナム・ソヨン記者


