化学物質による皮膚腐食性事故、5年間で二倍増加/韓国の労災・安全衛生2025年10月13日

最近の5年間に、化学物質による皮膚腐食性事故が二倍以上増えたことが判った。
国会・気候エネルギー環境労働委員会の「共に民主党」キム・ジュヨン議員は13日、気候エネルギー環境部から受け取った『皮膚腐食性に伴う被害状況』資料によれば、2020~2025年8月迄、皮膚腐食性化学物質による事故が148件発生した。
皮膚腐食性とは、化学物質が皮膚に触れた場合、組織を完全に破壊して、永久的な損傷を残す性質をいう。強い酸性溶液が金属を錆びさせるように、肌を破壊するということだ。
年度別事故状況を見ると、△2020年16件(28人負傷)、△2021年24件(35人負傷、3人死亡)、△2022年14件(21人負傷)、△2023年24件(32人負傷)、△2024年38件(40人負傷)、△2025年8月までに32件(31人負傷、1人死亡)と、毎年増加している。
2020年の16件から2024年38件に、2.4倍増えた。今年8月現在で32件発生し、既に2倍に達している。
今年は2021年に続き、四年振りに死亡事故が発生した。六月に蔚山温山のある化学物質製造業の工場で、勤労者が充電設備として水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を容器に注入していたところ、ノズルが十分に挿入されていない状態でボタンを作動させ、化学物質が外部に噴出して死亡した。
水酸化テトラメチルアンモニウムは急性毒性と皮膚腐食性など、有害性を持つ物質だ。皮膚に付いた場合、損傷した皮膚を通して体内に素早く吸収された場合、神経伝達を遮断させ、呼吸困難と心停止などを起こして、死亡に至ることがある。
産業安全保健研究院によると、化学事故の被災者の内、皮膚接触による被災者が全体の約78%になる。吸入(18%)や摂取(4%)よりもはるかに高い数値で、肌へのばく露による事故予防が、何より重要だという指摘だ。
キム・ジュヨン議員は、「事故が増えている現実で、皮膚腐食性基準を緩和したり、疎かに扱うことは、国民の安全を無視することと同じだ。」「国民の生命と安全が、化学物質管理制度の最優先の価値にならなければならない」と話した。
2025年10月13日 毎日労働ニュース ヨンジュン記者
https://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=230644


