「保護者の悪性苦情」で担任交替だけで6回、でも変わらない・・・全教組委員長、座り込みに/韓国の労災・安全衛生2025年9月19日

昨年、全羅北道全州のM初等学校で、特定の保護者の繰り返しの悪性苦情と常習的な告発で、何と6人の担任教師が交替された事実が知らされて衝撃を与えたが、依然として問題は解決されていないことが明らかになった。今年担任を引き受けた教師もやはり1学期の間だけで3回の児童虐待申告と5回の112申告、40回の嘆願によって苦痛を訴えている状況だ。これを受けて全国教職員労働組合(全教組)のパク・ヨンファン委員長は19日、悪質な苦情の解決に向けた教育当局の対策作りを求める座り込みを始めた。
全教組はこの日、全北教育庁前で座り込み突入を宣言した。パク・ヨンファン委員長は「全北のある学校で起きている悪性嘆願は、教師たちの人生を破壊し、教育共同体まで根こそぎ揺さぶっている。全国の教師たちが経験する苦痛の象徴」とし、「守らなくても良い教権保護委員会の措置は無力で、何の不利益もない措置は悪性苦情を続けさせる」と指摘した。
パク・ヨンファン委員長は「悪性嘆願は犯罪であり労災だ。教師たちの人生と教育を守る。」「教育が可能な学校になるためには、教権が守られ安全な学校にならなければならない。教育部は悪性嘆願を根絶し、防止する実質的な対策を出さなければならない」と追及した。
M小学校の事例は、昨年MBCのPD手帳「誰もその保護者を防ぐことはできない」編で放映され、広く知られた。この学校で起きた度重なる担任の交替は、保護者二人の悪性嘆願から始まったという。当時の放送によれば、2024年の一年だけでA保護者は学校に電話をかけたり、ホームページに掲示文を載せたり、ハイトークメッセージを送るなどのやり方で、189回も連絡を取り、B保護者も163回連絡して悪性の苦情を続けた。教師が子供の姿勢を正すことが児童虐待だと主張したり、自分の子供に対してまともに世話がなされていないとし、学校が子供を放置したというふうに抗議したりもした。甚だしくは、子供の生活記録簿を修正して欲しいと要求した。
衝撃的な状況に多くの人々が公憤したが、変わりはなかったという。全教組によると、今年M小学校の六年生になった子供たちの担任として、全教組全北支部長の任期を終えたソン・ウクジン先生が来ることになったが、新学期初日から悪質な苦情が繰り返された。
全教組のオ・ドヨン全北支部長は「(全教組全北支部長時代に)自分を告発した全教組全北支部長をなぜ担任として送ったのか、と教育庁に問題提起をし、警察を呼んで二週間ほとんど毎日来たという。」「保護者はソン・ウクジン先生を五つの疑惑で刑事告発もした。嫌疑なしが出ても、先生は調査を受けに警察署に行かなければならない。児童虐待の申告は生徒によって、保護者によって、10回以上繰り返され、通知表を与えても机を叩いて威嚇したと申告し、見つめたら睨んだと児童虐待の申告をする」と現在の状況を説明した。
オ・ドヨン支部長は「一学期中、この二人の子供たちは受けたい授業だけを受けたり、学校に来なかった。足りない授業を補充する計画を出せと学校に無理な要求、すなわち悪性嘆願を提起した。校長、教頭先生から教務実務士まで、悪性苦情を受けている。」「また、(保護者たちは)ソン・ウクジン先生の一挙手一投足をSNSに載せ、非難と嘲弄を躊躇していない。よく笑い、冗談を言っていたソン・ウクジン先生の表情が、ますます硬くなっている」と伝えた。
オ・ドヨン支部長は「他人はなぜこのような人を放っておくのかと尋ねるが、彼らは教権保護委員会の処分、すなわち特別教育履修、心理治療を履行しない。履行しない時に賦課される過料も、色々な理由で実効性がないという。道教育庁は未だ告発の検討だけをしている。」「これ以上担任が変わらずに六年生の卒業式をソン・ウクジン先生と無事に行いたいM小六年生の生徒の手紙を、教育監権限代行と教育部長官は必ず読んで、解決策を出さなければならない。全国の先生たちが見守っている」と訴えた。
全教組は「色々な理由を付けて教育庁は告発措置を先送りしており、教権保護委員会の措置は依然として無力であり、悪性請願人を実質的に防げる措置は、法的な論理に阻まれて行われていない。」「教育部長官は、今すぐ現場に駆けつけなければならない。悪質な苦情で学校で倒れている教師たちを助けなければならない。教育部長官は、教師たちが世の中を離れないように手を握って欲しい」と求めた。
具体的に、全教組は全羅北道教育庁に向かって、悪性請願人に対する即刻告発と被害学校、生徒、教師の保護対策を求めた。教育部に向かっては、▲学校悪性嘆願防止総合対策準備と義務告発、対応専門担当機構、法的対応体系作り、▲教権侵害の範囲に悪口を含め、放課後教権の侵害を適用するなどの明示などを要求した。
2025年9月19日 民衆の声 ナム・ソヨン記者