労働者・労災専門家の7割「労災保険に『先補償』導入すべき」/韓国の労災・安全衛生2025年1月7日
労災処理の長期化で労働者に適時に補償がなされない問題を改善するための『労災保険先保障制度』に労働者と労災専門家・関係者の74%が同意していることが判った。
韓国労総は労働者と労災保険専門家、利害関係者など428人を対象に実施した『労災保険先保障制度導入の必要性実態調査』の結果を7日公開した。調査は昨年10月18日から11月4日まで行われた。回答者の分布は「労働者」が43.9%、「弁護士・公認労務士」が18.0%、「労災保険関連業務従事者」が13.8%、「その他(労災労働者団体など)」が7.2%、「医師」が5.1%などだった。
回答者の51.4%は「業務上疾病の労災処理遅延問題を認知している」と答えた。労災保険関連業務従事者は89.8%、弁護士・公認労務士は88.3%、医師は75.8%が問題を認識していた。2023年の業務上疾病の労災処理期間は平均214.5日に達した。
回答者の73.6%は「労災保険の先保障制度の導入が必要だ」と答えた。先保障制度の導入が急がれる疾病としては「筋骨格系疾病」が47.0%で最も高く、続いて「脳心血管系疾病」が22.7%、、「職業性癌」が15.9%などだった。
労災保険の先保障適用範囲については、61.5%が業務上の事故と疾病、出退勤災害など「全体の業務上災害」に適用されなければならないと話した。「業務上の事故のみに適用」は16.8%、「業務上疾病のみに適用」は11.0%であった。先保障の時点は、40.2%が「労災申請と同時に労災保険先保障」を挙げた。先保障で支給する給与は74.1%が「療養給付と休養給付が同時に支給されなければならない」と答えた。
労災保険の先保障後、労災が最終不承認された時、保険給与を還収する方案としては、「部分免責モデル」が38.6%で最も高かった。部分免責モデルは労災申請人の生計条件により、給与を一部だけ返還させる方案だ。続いて「事後精算モデル(全額返還)」が31.3%、「完全免責モデル」が30.1%だった。
現行の労災保険制度で最も改善が急がれる制度としては「筋骨格系疾病推定の原則」制度が31.3%で、最も多く挙げられた。韓国労総は「推定の原則適用件数の低調、適用職種の狭小、厳格な適用基準など、実効性の問題が反映されたと分析される」と話した。所要期間が長く、人材が足りないという指摘を受けている「業務関連性特別診察制度」は25.2%、「業務上疾病疫学調査制度」は16.6%だった。
韓国労総は「労災保険の先保障制度は単純な財政的な支援を越えて、労働者の生命と生計を守る重要な社会的安全網」で、「政府は先保障制度の導入によって労災保険の本質的な役割を強化し、労働者の保護のために迅速な制度導入に取り組まなければならない」と話した。
2025年1月7日 京郷新聞 チョ・ヘラム記者