非正規職女性の10人中4人、「職場でセクハラ被害」 2023年08月30日 韓国の労災・安全衛生
「公共機関の職員です。既婚の男性のチーム長が、入社した時から夕食を一緒にしようと言って、性的な発言をするストレスを受けてきました。低俗で性的な発言と行動に『嫌だ』とはっきり言いました。するとその後から、わざと決裁を遅くし、『君のせいで仕事が遅れている』と、他人が誤解するように大声を出しています。」(2023年3月、職場の甲質119への通報)
職場の甲質119と「美しい財団」が、先月2~10日、会社員1千人を対象に行った調査結果を見ると、回答者の26%が入社以後に職場内セクハラを経験したことがあると答えた。性別では、女性がセクハラ被害を経験した割合は35.2%で、男性(18.9%)より二倍近く多かった。非正規職のセクハラ経験の割合は31%で、正規職(22.7%)より高かった。非正規職の女性(232人)の場合、10人に4人の割(38.4%)でセクハラ被害を受けていた。
「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」(男女雇用平等法)によれば、職場内セクハラとは、事業主・上級者・勤労者が、その地位を利用したり、業務に関して他の勤労者に性的な屈辱感・嫌悪感を感じさせ、性的言動またはその他の要求などに従わなかったという理由で不利益を与えることをいう。法によってこのような行為は禁止される。加害者が事業主である場合、最大1千万ウォンの過料を賦課でき、申告を理由に不利な処遇をすれば、三年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金を科すことができる。
しかし職場内でのセクハラ被害を経験した人(260人)の83.5%は、「我慢したり知らない振りをした」と答えた。更に、「会社を辞めた」(17.3%)とする応答が多く、「警察・雇用労働部・国家人権委・国民権益委などの関連機関に申告した」という応答は、1.2%に過ぎなかった。セクハラにあった非正規職女性の30.3%は、その後に「会社を辞めた」と答えた。
回答者の15.1%は、職場内でセクハラ・性暴行被害を体験したことがあった。女性の被害の比率は24.1%と男性(8.1%)の三倍で、非正規職(22.3%)は、正規職(10.3%)の二倍だった。「性暴力犯罪の処罰などに関する特例法」(性暴力処罰法)によれば、業務上の位階・威力で醜行をした加害者には、三年以下の懲役または1500万ウォン以下の罰金を科すことができる。
職場の甲質119のジェンダー暴力対応特別委員会のパク・ウナ労務士は、「職場内のジェンダー暴力は、被害者個人の断固とした拒絶だけではなくならない。むしろ、職場で優位性のある加害者たちは、被害者が拒絶の意思表示をすれば、より執拗に苦しめる特性を示す。」「女性が仕事場で働いても死なないために、使用者と政府の努力が急がれる」と話した。
2023年9月3日 ハンギョレ新聞 キム・ヘジョン記者