中・大型建設業で死亡事故が増加・・・「原材料価格の高騰による工期短縮が原因」 2023年08月30日 韓国の労災・安全衛生

ゲッティイメージバンク

今年上半期に仕事中の事故で亡くなった労働者が昨年に比べて減ったが、50億以上の建設業ではむしろ増加したことが判った。特に、120億~800億未満のマンションなどの建築現場で死亡事故が増えた。最近の原材料価格の上昇による工期短縮圧力などの影響と思われる。

雇用労働部が30日に発表した『2023年6月末の労働災害現況付加統計』資料によれば、今年6月までの災害調査対象の事故死亡者は289人(284件)だった。これは昨年同期の労災事故死亡者(318人・301件)より29人(9.1%)減少した数値だ。産業別には、建設業では昨年の152人から147人に減り、製造業でも、昨年の100人から81人に大幅に減少した。規模別に見ても、受注金額50億ウォン未満と50億以上の事業場でそれぞれ179人と110人の事故死亡者が発生したが、これは昨年(197人、121人)に比べて減った数値だ。

ただ、50億以上の建設業の現場では災害事故死亡者がむしろ増えた。今年上半期の事故死亡者は57人で、昨年(50人)より7人増えた。労働部は50億以上の建設業の現場の中でも、マンションなどの建設工事が集中した120億~800億ウォン未満の現場での死亡事故が増えたと説明した。チェ・テホ労働部労災予防政策官は「120億~800億ウォンの工事現場の多数は、建築分野という、従来から災害の可能性が高い上に、最近の原材料価格の上昇で、工事期間短縮の圧力にも影響を大きく受けたと見られる」とした。800億ウォン以上の工事の場合、土木やプラントが多く、事故死亡者は減った。

120億~800億ウォン未満のいわゆる大規模マンションの建設現場で死亡事故が増えたにも拘わらず、事業主を重大災害処罰法などで処罰するのは容易ではない。人命被害を出した後、起訴された大手建設会社は1社もない。チェ・テホ政策官は「中小建設会社では安全保健管理体系が構築されずに発生する事故が多く、捜査が早く行われる」一方、「大企業の場合、このような基本体系が構築されており、大型法律事務所の介入で捜査時間が長くかかっている」と話した。

労働部が重大災害削減ロードマップに従って推進してきた危険性評価は、建設業の死亡事故を防ぐには力不足だった。危険性評価は、事業主が自ら有害・危険要因を把握した後、適切な措置を準備して実行するシステムだ。チェ・テホ政策官は「建設業は毎日作業や工程が変わる環境なので、有害・危険要因も変わる。建設業に危険性評価を導入しても(死亡事故の減少が)進むのには時間がかかるだろう」と話した。

2023年8月30日 ハンギョレ新聞 キム・ヘジョン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1106404.html