労災を減らす「安全第一AI」がすべて集まった 2023年07月05日 韓国の労災・安全衛生

キンテックス第2展示館で2023国際安全保健展示会が開かれている。展示は今月3日から6日までの4日間開かれる。/チャン・ヒョンウン記者

「ピピピ」

二酸化炭素が詰まっている円形の筒に小さなボールを入れると、安全モニタリングの電光掲示板の酸素数値が下がり、安全警報器に警告灯が灯った。

5日、国内最大規模の安全保健専門展示会である『国際安全保健展示会』が開かれたイルサン・キンテックス第2展示館のポスコDXブースでは「スマートセーフティボール」の試演の真っ最中だった。マンホールなど、密閉された危険作業空間に入る前に、ボール状の携帯用ガス感知器を下ろして、危険ガスの流出をあらかじめ感知する方式だ。

SKテレコムの映像管制ロボットが展示館を歩き回っている。ロボットにガス探知機を付けて有害ガスを感知したり、産業現場内の危険な状況に勤労者の代わりに投入させるなどの機能ができる。/チャン・ヒョンウン記者
ポスコDXブースで関係者が「スマートセーフティボール」の試演をしている。二酸化炭素が詰まった空間にボールを入れると、警告灯を点け、酸素数値が下がったことを知らせる。/チャン・ヒョンウン記者

産業安全保健公団は「2023産業安全保健の月」を迎え、3日から6日までの4日間、国際安全保健展示会を開催している。この日の行事には産業安全と保護具、スマート安全、防災産業など、安全保健に関する技術が一堂に会し、注目を集めた。特に、労災を予防できるスマート技術が目立った。SKテレコムは20mを超える高さの通信塔の点検に使われるドローンを紹介した。通信塔の劣化、不良状態の点検をする際に、ドローンを利用して高画質で撮影し、人工知能(AI)で状態を分析する方式だ。スマート安全保健技術広報館では、カメラで保護具とロープの不着用を自動認識する技術も紹介された。体験館の関係者は「カメラが勤労者を撮影して、勤労者が安全装備を着用したかを人工知能映像認識で分析する技術」で、「フックが固定装置に掛かっているかも認識して、リアルタイムで知らせる」と説明した。試演者が安全帽を脱ぐと、電光掲示板にリアルタイムで「ヘルメットオフ」という字句が表示される方式だ。

スマート安全保健技術広報館「AI体験館」の様子。労働者が安全帯の着用と締結の可否を認識し、電光掲示板にリアルタイムに見せてくれる。/チャン・ヒョンウン記者
2023国際安全保健展示会ポスコDXブースで担当者が「スマートセーフティボール」の試演をしている。/チャン・ヒョンウン記者

最も人気の高いブースは仮想現実(VR)体験ブースだった。安全保健公団が用意した安全保健コンテンツ体験館ブースには、窒息災害、落下災害など、仮想現実を体験をしようとする参加者が列になっていた。特殊なゴーグルと手袋をはめると、参加者の目の前に仮想現実で作られた建設現場が登場し、不安全な足場を踏んだ瞬間『ガタ』と実際に落ちるような体験ができる。実際、民間企業でも安全教育センターなどで、仮想現実を利用して作業場での災害予防教育を実施するところが増えている状況だ。安全保健公団のアン・ジョンジュ理事長は「(安全保健技術が)例年に比べて、ますますスマート安全技術を活用した労災予防の方向に進化しているようだ。」「中小企業もスマート技術をもっと活用できるように、財政的な支援や技術支援などに一層焦点を合わせて進める」と話した。

安全保健コンテンツ体験館に設置された「VR体験(落下災害)」ブースの様子。/チャン・ヒョンウン記者

今回の行事には220社、820のブースが参加し、歴代最大規模を記録した。前年度に歴代最大の数を記録した、180社、750ブースから更に増えた規模だ。開幕後2日間の参観者も1万4140人で、前年度より2000人ほど多い。公団と労働部は、今までの『産業安全保健強調週間』を今年から『産業安全保健の月』に格上げし、国際安全保健展示会、安全保健セミナーなど、活発な行事を行っている。

2023年7月5日 ハンギョレ新聞 チャン・ヒョンウン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1098872.html