20代のエレベーター整備士が残したメール「一人で作業するのが大変だから助けて欲しい」 2023年06月25日 韓国の労災・安全衛生

一人でエレベーターの修理をしていた20代の労働者が墜落死した。事故直前に『助けて欲しい』という携帯メールを送っていたことが判った。

25日、雇用労働部によると、オーティスエレベーター江北地域本部で働いていたA(27)さんが、23日午後1時20分頃、ソウル西大門区のマンションのエレベーターが故障という知らせを受け、修理作業中に約20m下の床に落ちて死亡した。

Aさんが事故の直前に同僚に「一人で作業するのが大変だから助けて欲しい」という内容の携帯メールを送っていたことが確認された。その後に現場を訪れた同僚が、Aさんが作業していた7階に着いたがAさんは見当たらず、探したところ、地下2階でAさんを発見し、119に通報した。

産業安全保健基準に関する規則162条は「事業主は、事業場で昇降機の設置・組立・修理・点検または解体作業をする場合、作業を指揮する人を選任し、その人の指揮下で作業を実施すること」と規定している。修理作業の際には、『二人一組』でならなければならないということだ。

労働部は事故内容を確認した後、作業中止の措置を執り、事故の原因、産業安全保健法と重大災害処罰法違反の有無などについて調査している。

産業安全保健公団によれば、2018年から昨年10月までに、エレベーターの設置・メンテナンス工事中の事故死亡者は38人だった。政府は2020年にはエレベーター業界での不公正契約慣行、不法下請けなどで下請け労働者の死亡事故が続いたため、関係部署合同の対策も発表している。

2023年6月25日 京郷新聞 キム・ジファン、キム・ソンイ記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202306252254005