「週69時間労働は過労死を助長」民主労総、大統領を告発 2023年3月20日 韓国の労災・安全衛生
民主労総)は20日、週最大69時間働けるようにする『労働時間改編案』を推進中の尹錫悦大統領と雇用労働部長官を告発すると明らかにした。『週69時間』労働は過労死を助長する長時間労働であり、国民の基本権を保護すべき国が、国民の生命権、健康権を侵害する政策を推進するというのが理由だ。
民主労総はこの日記者会見を行い、労働時間改悪阻止の闘争計画を発表して、予告した。民主労総は、法律院の告発準備が終わり次第、迅速に告発する。
民主労総が大統領と長官に適用した罪名は、刑法255条(殺人の予備・陰謀罪)だ。
民主労総は、「政府の勤労基準法改正案は、政府が自ら設定しておいた過労死の認定基準を超えた延長勤労を助長するもの」で、「これには殺人に対する未必の故意がある」と説明した。
雇用労働部の告示による過労死認定基準は「4週間に1週間平均64時間」働いたり、または「12週間に1週間平均60時間」働いて死亡した場合などだ。政府の改編案通りなら、政府の過労死基準も遙かに超える「18週連続週64時間」勤務も可能だというのが、民主労総の分析だ。
今回の労働時間改編案を巡って国民的な反発が大きくなると、尹錫悦大統領は「週60時間は無理だ」として制度の補完を指示した。しかし民主労総は、制度の補完ではなく、廃棄が必要だということを明確にした。
委員長は「現在の労働時間の基準は週40時間だ。社会的な議論になるためには、この40時間を更にどう短くするかを議論すべきだ。」「週当りの時間を拡張する方向自体が間違いで、補完できるものではない」と、言い切った。
委員長は「政府は60時間のキャップを被せようと密かに退いたが、一日10時間の労働は大丈夫だということなのかを問い返したい。」韓国は最長労働時間だけでなく、最長の出退勤時間も記録している。『ワークライフバランス』を要求する時代的な流れに逆行する長時間労働政策は、全面廃棄されるべきだ」と指摘した。
委員長は政府の労働時間改編案に対して、▲労働者の暮らしを破壊する「反人権改悪案」、▲労働者をこき使える時間だけを無限に拡張する「資本家の苦情解決法」、▲殺人的な長時間労働で労働者の健康と生命権を破壊する「過労死助長法」、▲休憩時間選択権の名目で賃金は減らし、仕事は多くさせるという「賃金削減法」、と規定した。 同時に「労働者の健康権と休息権を保障するためにも、『もっと働け』という尹錫悦政府と断固闘う」とした。
一方、民主労総は労働時間改編など、尹錫悦政府の全般的な反労働政策を糾弾し、「強い審判の闘いを展開する」と予告した。
25日には『労働改悪、民生破綻、検察独裁尹錫悦政権審判』民主労総闘争宣言大会と、民主労総をはじめとする170余りの労働、市民社会団体が一緒に、大規模集会を次々と行う。
4月19日には「死なずに働く権利争奪民主労総決起大会」を、メーデーの5月1日には、労働者総決起大会を行う計画だ。労働者総決起では、ソウルに5万人、全国で20万人が集結すると展望される。
5月末には尹錫悦政権の労働改悪案廃棄のための全面的な警告ストライキを行い、7月には予告通りに二週間ゼネストを闘う。
2023年3月20日 民衆の声 ナム・ソヨン記者