「労働者が安全でこそ、国民も安全」鉄道・貨物・病院労働者が連鎖スト 2022年11月16日 韓国の労災・安全衛生
鉄道・地下鉄・貨物・空港・病院など公共機関の労働者10万4千人が、23日から来月2日まで連鎖ストライキを行う。尹錫悦政府の発足後、公共運輸労組傘下組織の初の共同ストライキだ。公共機関革新ガイドラインをはじめとする政府の政策基調が、極端に生産性・効率性を強調するために、安全を度外視し、公共性が弱まるおそれがあるという声が高い。
尹錫悦政府の発足以降「安全は度外視・公共性は弱まる」
公共運輸労組は15日、民主労総会議室で記者会見を行い、「国民の安全を保障する責任は国家と政府にあるが、街にも、仕事場にも、道路にも、国民の生命を守ろうとする政府は見えない。」「このストライキは、国民の安全を実現するために国家の責任を強化する闘い」だとした。
労組所属の13単位労組10万4331人が、23日から来月2日まで、公共性・労働権拡大のための共同ストライキを行う。23日の公共機関民間委託業者所属の健康保険顧客センター支部・龍仁軽電鉄支部のストライキを皮切りに、貨物連帯本部(24日)、教育公務職本部(25日)、ソウル交通公社労組(30日)、鉄道労組(12月2日)のストライキが次々と予定されている。
鉄道・地下鉄・病院などの公共機関の労働者は、公共機関革新ガイドラインによる人員削減で慢性的な人材難が深刻化し、労働者が危険に追い込まれるおそれがあると指摘した。最近、儀旺市の五峰駅で起こった事故で、韓国鉄道公社で今年だけで4回目の死亡事故が発生したにも拘わらず、人員補充なしで、三組二交代を四組二交代に転換し、鉄道労働者が事故に遭う可能性が高くなったという声が高い。ソウル地下鉄の労働者も、国立大学病院労働者も、人員が不足している状況で労働者の安全が脅かされれば、市民・患者の生命と安全も大きく脅かされないと声を一つにした。
公共機関の子会社・民間委託業者所属の労働者と、非正規・特殊雇用労働者もストライキに参加する。多段階下請け構造の下で劣悪な労働環境に追い込まれた西海線支部・龍仁軽電鉄支部と、低賃金と高い労働強度に苦しめられている仁川空港地域支部は、「公共性強化」「処遇改善」等を掲げてストライキを行う。貨物労働者は、今年末に日没を迎える安全運賃制の持続推進を追求して、24日のストライキを予告した状態だ。非正規職差別解消と安全に仕事をする権利保障を要求し、ケア専門担当士・給食調理実務士といった学校非正規労働者も、25日にストライキをする。
「労政交渉要求に黙々無答・・・・国家の責任放棄」
労組は先月12日、政府に対して「公共性-労働権拡大のための労政交渉」を公開的に要求した。ところが、一ヵ月が過ぎた現在まで交渉要求に応じず、黙々無答で一貫しているというのが労組の指摘だ。労組はこれに、「社会公共性の拡大に努力すべき政府の責任放棄であり、公共部門の労働者の実質的な使用者である政府の交渉拒否だ」と批判した。
労組は国家の責任強化と国民の安全実現のために、△社会的惨事と重大災害の徹底した原因究明と根本対策の樹立、△生命安全基本法の制定と重大災害処罰法の改正、△公共部門のリストラ中断と安全人員の補充、△民営化の中止と国家の財政責任拡大、などを政府に要求した。
ヒョン・ジョンヒ委員長は、「今回のストライキは、誤った政府の政策の流れを正しく変え、国家の責任と国民の安全を実現するための闘い」で、「不平等を一層拡大する尹錫悦政府の『市場万能』に抗して、平等を実現する労組の『公共性-労働権拡大』を提起する叫び」と強調した。
2022年11月16日 毎日労働ニュース オ・ゴウン記者
http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=211999