元請け・下請け産業災害統合管理の効果が明らかに2019年4月15日

下請け労働者の災害死亡を減らすために、今年から施行されている元請け・下請け産災統合管理制度が効果を挙げているという研究結果が出た。
元請け・下請け産災統合管理制度は、元請けの事故死亡万人率によって、元請け・下請けを合わせた事故死亡万人率が高ければ、元請け事業場の情報と元請け・下請けを合わせた死亡災害を公表する制度だ。昨年、常時労働者1千人以上の製造業・鉄道運送業・都市鉄道運送業で施行され、今年からは500人以上の事業場に拡大された。昨年12月の泰安火力発電所の非正規職キム・ヨンギュンさんの死亡事件を契機に、来年からは発電業・送配電業・電気販売業といった電気業種にも適用される。公共機関は500人未満の事業場でも施行する。
安全保健公団傘下の産業安全保健研究院の「元請け・下請け産業災害統合統計算出」によれば、昨年から元請け・下請け産災統合管理制度を導入した1千人以上の元請け事業者が、下請けの安全管理を強化した。
研究院が103事業場を対象に実施したアンケート調査で、85.5%が「制度施行後、下請け業者に対する安全管理と監督を強化した」と答えた。「下請け業者の安全教育が強化された」と答えた事業場は78.6%だった。元請けの73.8%は「安全規定、またはマニュアルを強化した」とし、71.8%は下請け業者の災害発生時の報告規定を厳しくした。
制度を施行した元請けと下請けでは、死亡事故が減っているという調査結果も出た。研究院が勤労福祉公団の産災保険加入事業場と療養申請の電算資料を分析したところ、制度を施行中の1千人以上の元請け88ヶ所とその下請け業者を合わせた事故死亡万人率は、2017年の0.32から昨年の0.08に、大幅に減少した。雇用労働部の産災報告資料を基準にすれば、同期間に0.23から0.12に減った。
研究院は報告書で「元請け・下請けの産災のレベルを評価できない限界はあるが、下請け業者に対する元請けの管理が向上したことを知ることができる」とし、「早急な制度定着のために、事業場の努力と政府の持続的なモニタリング・改善作業が必要だ」と注文した。

2019年4月15日 毎日労働ニュース キム・ハクテ記者